メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

アンカラでロシア大使が暗殺される

昨日(12月19日)、アンカラで凶弾に倒れたロシアのカルロフ大使は、非常に謙虚な人柄で知られ、普段から護衛を伴わずに行動していたそうだ。
要請があれば、トルコ政府は各国大使に護衛をつける規定になっていて、アメリカの大使はトルコの護衛官が、イスラエルの大使は、トルコとイスラエル双方の護衛官が、常にガードを固めているという。
カルロフ大使からは、そういった要請がなかったらしい。それが、あんなことになってしまうなんて、痛ましさに遣り切れない思いがする。
しかし、今日、モスクワでは、トルコのチャヴシュオウル外相も参席して、「トルコ・ロシア・イラン/3カ国外相会議」が予定通り開催された。
また、エルドアン大統領とプーチン大統領も、同様に「扇動」という言葉を使って、事件を非難したと伝えられている。昨年11月の露機撃墜後のような展開には至らないと思う。
昨日のニュースで、死亡した暗殺犯が警察官だったと報道されたため、私は真っ先に「ギュレン教団」を思い浮かべてしまったけれど、やはり多くの識者が「ギュレン教団の犯行」を示唆している。
軍や警察の中で、高い位置を得ていた教団のメンバーは、これまでに大方排除されたが、地位の低い若いメンバーは未だ相当数残っているのではないかと言われていたし、露機撃墜にも「教団の陰謀説」が囁かれていたからである。
かつてギュレン教団は、ロシアにも学校を作るなどして、浸透を図ったものの、教団とCIAの関係を疑ったプーチン大統領によって、学校は閉鎖され、敢え無く頓挫したという経緯もあった。
とはいえ、このように多くの人たちから、『教団の仕業では?』と直ぐに思われてしまうような凶行を、わざわざしでかす必要が何処にあったのだろう? 
もっとも、オウム真理教の例でも見られたように、ああいった教団の人たちは、一般の常識と全くかけ離れた所にいたりする。まずは、ロシアも協力するという捜査の結果を待たなければならない。