メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

シリアのアサド政権の存続?/ハタイ県のアンタキア

これから、シリアの問題がどのようになるのか解らないが、仮に、トルコ政府がアサド政権の存続を認めて問題が解決されたとしても、それほど驚くべきことではないかもしれない。

2005年に、かつて敵対していたトルコとシリアが急速に友好を深めた時も驚かされたけれど、また同じような経過を辿ったとしても不思議ではないからだ。

私は、2011年の5月、シリアとの国境に接するハタイ県のアンタキアを訪れた。アンタキアにはアラブ系の人たちが多く、彼らはシリアにいる親族の所へ頻繁に出かけているようだった。

そういうアラブ系の人から、「一緒にアレッポへ行かないか?」と誘われたこともあったが、次の機会に行こうと思っていたので断ってしまった。

その後間もなく、シリアで内戦が始まり、アレッポは廃墟になったと報道されている。しかし、爆撃された住居から埃まみれになって救出された幼児の姿が、「アレッポの惨劇を物語る映像」として話題になっていたものの、幼児が乗せられたのは、最新の機材を備えた真新しい救急車だった。

『あの救急車は、廃墟のアレッポの何処から来たのか?』と疑問に感じたけれど、要するにアレッポの行政は、当時まだ救急活動に支障を来たさないぐらい機能していたのだろう。

あの映像を見て以来、私はシリアに関する国際世論の報道が何処まで本当なのか信じられなくなってしまった。

アサド政権が存続して、シリアが丸く治まるようにも思えないが、実際のところはどうなのか良く解らない。

トルコには、アサド政権と友好的な関係を続けているドウ・ペリンチェク氏のような政治家もいるので、関係修復は存外難しくないかもしれない。いざとなれば、トルコ政府は人道的な支援を惜しまないと思う。

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