メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

エプスタインというエロ事師

www.cnn.co.jp

年明けに「故エプスタイン氏の関連文書が公開」というニュースが報じられていた。

米国の富豪エプスタイン氏は、児童への性的な暴力で逮捕され、拘置所で自殺したことが知られている。

知己の富豪や有力者へ売春を斡旋していた疑いもあり、その「顧客リスト」には、英国のアンドリュー王子や米国のクリントン元大統領、トランプ前大統領等々、世界的な著名人の名が連なっていたと言われ、そのため、口封じに抹殺された可能性も否定できないという。ネット界隈では、これが話題になっていたらしい。

公開された文書に、クリントン氏やトランプ氏の違法行為は見当たらなかったそうだが、まさしく「死人に口無し」で真相を明らかにするのは難しいだろう。

このエプスタイン氏の事件で、私は野坂昭如の小説「エロ事師たち」を思い出してしまった。

エロ事師たち」の主人公スブやんは、大企業の社長などに売春を斡旋していたが、顧客の連絡先を聞いても、それをメモろうとしない。

顧客に「君、メモを取らなくても良いのか?」と問われると、「私に何かあって、そのメモが表沙汰になったら大変なことになります。なので、全てこの頭に暗記しているのです」と答えて、顧客を喜ばせてから、トイレに行って手の平に連絡先をメモるのである。(うろ覚えだが、こんな展開だったと思う)

ある時、スブやんは、顧客の社長に「一度、処女の娘とやってみたい」と頼まれ、斡旋業者のおばさんに相談したところ、「いい娘がいるから任せとき」と言われたものの、「処女じゃないことがバレたりしないだろうな?」と心配する。

その心配に対して、おばさんは「大丈夫や、ベテランの処女やさかい」と言い放つ。

「ベテランの処女」がいるのである。

クリントン氏やトランプ氏も、エプスタイン氏に「処女」を依頼して、「ベテランの処女」から翻弄されていた・・・なんてことを想像したら、何だか微笑ましい感じがしてしまう・・・。

しかし、以下の駄文に「質実剛健の気風」などと書いたけれど、そんな気風は、日本の武士道と同様、とうの昔に消え失せていたのかもしれない。