メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

米国はチェス、中国は囲碁?

ウガンダエンテベ空港が中国資本によって接収される可能性が話題になっている。

このニュースを聞いて、2ケ月ほど前にYouTubeで視聴したトルコの時事討論番組を思い出した。

この番組でメテ・ヤラルという元軍人(少佐)のジャーナリストが、あるドラマで観た台詞を伝えている。それは、中国の諜報員がアメリカ人に語った言葉であるという。

「・・・貴方たちは世界戦略をチェスのように構築してきた。いつも首を撥ねようとする(王を詰めようとする)。そして多くの敵を作ってしまった。我々のゲームの名は碁である。我々の戦略は領域の支配権の上に構築される。じわじわ広がり(浸透して)、多くの場所を取った者がゲームに勝つ。敵は作らない。しかし、入った所に居座るのだ・・・」(以下YouTube動画の6分過ぎ辺り)

このメテ・ヤラル氏の発言は、ジョシュクン・バシュブーという軍事評論家(元大佐)が、米国のハードパワーに対する中国のソフトパワーを説明しながら、「中国の脅威は入り込んだら出て行かないところだ・・・」と述べたのを補足しようとしたものである。

しかし、ヤラル氏にしてもバシュブー氏にしても、中国の脅威は認めているものの、それ以上に反米的な論調に終始していた。

バシュブー氏などは、多くの敵を作った米国のハードパワーに言及する際、「米国が躓いたその時、手に棍棒を握りしめた多くの国が待ち構えている・・」なんて例え話を言い添えているくらいだ。

多分、その手に棍棒を握りしめた多くの国々は、『我々が棍棒なら、日本は侍の刀で待ち構えているはずだ』と期待してきたに違いない。

だからこそ、911事件の翌日、「ついにヒロシマの仇を討った」という見出しが新聞の一面を飾ってしまったのだと思う。

その期待が裏切られたため、今は中国に期待する国が増えてきているのかもしれない。

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