イスラム
トランプ大統領の就任によって、中東やトルコを取り巻く状況は、いったいどう変化するのだろう?昨日(1月20日)、ニュース専門局(NTV)の番組で意見を求められたアリ・サイダム氏(イエニ・シャファック紙)は、次のような“ハジュ・ベクタシュの小話”を…
トルコでは、インテリや芸術家といった人たちの多くが、エルドアン大統領を激しく嫌っている。しかし、エルドアン大統領は、大衆的な人気に支えられて、選挙を勝ち続けて来た。この大衆は、「イスラム的な保守層」と一括りにされたりしているけれど、信仰の…
昔、「カスター将軍の第7騎兵隊」をモチーフにしたアメリカ制作のテレビドラマが日本でも放映されていた。1960年生まれの私が、小学校3~4年生の頃に観ていた記憶があるから、おそらく60年代の後半だったのではないかと思う。 19世紀の西部で、勇…
1960年5月の軍事クーデターで処刑されてしまったメンデレス首相は、長らく「独裁者」の烙印を押されてきた。しかし、内乱といった状況があったわけでもないのに、クーデターで簡単に政権の座から引きずり降ろされてしまう「独裁者」が何処にいるのだろ…
福沢諭吉が「文明論之概略」を著した明治8年、その記述の中に、諸外国の事情を誤って伝えた部分があるとしても、当時の読者の多くは、それに気づきようもなかったに違いない。ところが、今日、トルコに関する情報が、誤って日本へ伝えられた場合、如何に無…
90年代のトルコでは、分割とイスラム化の脅威が叫ばれていた。イスラム化を目論んでいると見做された政党は、司法の介入によって解党されても、軍事介入で政権の座から引きずり降ろされても、それは致し方ないことだった。クルドの言語と文化の解放を要求…
「児童性的虐待防止法」により、「夫」が服役している家族を救済する目的で提出された法案は、どうやら撤回に追い込まれたようだ。 「一旦、取り下げる」といった曖昧な言い方だが、批判の高まりに驚いて撤回したというのが真相らしい。 AKPは議会の過半…
イスラムフォビアについて語るメルヴェ・カヴァックチュ PAMER Başkanı Doç. Dr. Merve Kavakçı İslamofobiyi Habertürk Manşet'te değerlendirdi. 昨年の12月に、“Haberturk”で放送された上記の番組で、ウスキュダル大学のメルヴェ・カヴァックチュ氏は、…
2014年の8月、「マイノリティの最も真実的な試験」というエティエン・マフチュプヤン氏のコラム記事(アクシャム紙-2014年8月24日付け)の後半部分を拙訳して、この欄に載せたけれど、非常に興味深い記事なので、今日、再びご紹介したいと思う…
日本と同様、トルコでも、西欧に対する思いは、なかなか複雑であるようだ。西欧は、あからさまに西欧化を主張してきた政教分離主義者だけでなく、イスラム主義者へも重くのしかかっていたのかもしれない。旧ザマン紙にコラムを書いていたミュムタゼル・テュ…
今はどうだか解らないが、かつて日本では、海外生活の手引書といった本に、以下のような記述が見られたりした。「キリスト教やイスラム教の国で、無信仰と自己紹介したら、人間扱いされなくなるから、仏教徒と答えるように・・・」私も、相手がイスラムの信…
近所の廃品回収屋さんの家族は、イスラムの信仰に篤い敬虔なムスリムだけれど、彼らにもフランスへ移民した親族がいるという。半年ぐらい前、フェイスブックに、フランス在住のトルコ人から「友達リクエスト」があって、これを承認したところ、どうやら彼は…
1994年頃、実業家のジェム・ボイネル氏が明らかにした話を新聞の紙面から読んだだけで、典拠を確認したわけじゃないが、救国戦争を指揮した軍人でもあるイスメット・イノニュ大統領(1884年~1973年)は、次のように語ったことがあるそうだ。「…
昨年辺り、ネットで読んだ記事じゃないかと思うけれど、「小林秀雄、福田恆存という保守派の論客が、いずれもフランス文学、シェイクスピア戯曲などの評論から出発していることは偶然ではあるまい・・」といったように書かれていて、この部分だけ、『はあ、…
一昨日(10月15日)、またテレビドラマのエキストラに駆り出されて、ヨーロッパ側のボスポラス海峡沿いにあるクルチェシュメという街に出かけて来た。撮影は、正午過ぎから、海峡に停泊している小型クルーザーの中で行われたけれど、途中、近くのモスク…
イスラム学者のエクレム・デミルリ氏は、イスラム教徒の非生産性が、ISのようなテロを生み出してしまったとして、イスラムが価値を生み出し、人を育てることができない限り、ISを壊滅させただけでは、問題の解決にならないと述べていた。しかし、生産性…
イスラム教徒・ムスリムと言えば、何だか、まるで価値体系の異なる宗教的な世界で生きている人々みたいな雰囲気で語られたりしているけれど、トルコでイスラム教徒の人たちと接している限り、これが実際の様相を伝えているとは、とても考えられない。もちろ…
イブラヒム・キラス氏は、カラル紙のコラムで数回にわたり、オスマン帝国の末期、国家を維持する為の思想として現れた「オスマン主義・イスラム主義・トルコ主義」について説明していた。オスマン主義は、帝国内のキリスト教徒ら異教徒も平等に扱う思想だっ…
10月11日付けカラル紙のコラムで、イブラヒム・キラス氏が、「トルコ人」とは何であるかについて論じていた。キラス氏によると、オスマン帝国の時代、現在の「トルコ人」に相当していたのは、帝国内の「イスラム教徒」であり、当時、西欧の人たちが「ト…
コマーシャルとかテレビドラマのエキストラに駆り出されると、僅かとはいえ、一応出演料みたいなものを頂けるわけだけれど、3ヶ月ほど前に撮影があったドラマは、どうやら只働きになってしまったようだ。当初、通訳斡旋エージェントから「日本語の通訳」と…
15年ほど前だったか、極めてラディカルな脱イスラム的政教分離主義者の女性ジャーナリストが、そのコラムの中で「政教分離主義にもとづく道徳」という言葉を使っていた。保守的な人々が主張していた「イスラムにもとづく道徳」を批判したうえで、「・・必…
クーデター事件以来、脱イスラム的な政教分離主義者の中からは、ギュレン教団に限らず、全ての教団を根絶すべきだという声が上がっている。ごく少数派の主張に過ぎず、あまり気にする必要はないかもしれないが、ここぞとばかりに、「やはり宗教は恐ろしい」…
ブルキニという“敬虔なイスラム女性用”の水着がフランスで禁止されて話題になっている。(ダブついたウェットスーツのような水着)10年ぐらい前なら、「トルコでも禁止すべきだ」と主張する政教分離主義者、これに反発する保守派の間で大騒ぎになっていた…
トルコのメディアでは、アメリカがギュレン教団を背後で操っていたという“陰謀論”が相変わらず飛び交っている。エルドアン大統領まで、それを遠回しに仄めかして煽るものだから、ちょっとやそっとじゃ収まりそうもない。もちろん、こういったアメリカと敵対…
クーデターのあった7月16日の未明、トルコ全国のモスクから、“セラ”というアラビア語の祈りの声が響いていたという。イエニドアンの近所のモスクからも響いていたはずだが、私はぐっすり寝込んだまま全く気がついていなかった。未明の2時ごろだったらし…
(7月26日) 一昨日(7月24日)、CHPがタクシム広場で開催した「クーデター反対集会」について、AKP政権寄りのジャーナリストは、会衆からAKPを罵倒する声が上がっていたとか、クルチダルオウル党首がギュレン教団を名指しで糾弾していなかっ…
(7月25日) 私はイスラム教徒じゃないし、キリスト教徒でもない。家の宗派は一応浄土真宗だけれど、「南無阿弥陀仏を唱えれば成仏できる」なんて話も、もちろん信じていない。 神道にも、伝統的な習俗として、あるいは観光的な面で多少興味を感じる程度…
ニースのトラック暴走の一報を聞いて、まずは8年前の秋葉原の事件を思い出してしまったが、もしもISのような組織によるテロであったとすれば、これを未然に防ぐのは一層難しくなりそうで恐ろしい。もちろん、個人的な犯行であったとしても、恐ろしさに変…
トルコでは、政教分離主義を“ライクリック”と呼び表し、これはフランス語の“ライシテ”に由来しているそうだ。先日、チャヴシュオウル外相は、シリアに政教分離の新体制を望みながら、やはりライクリック(政教分離主義)という言葉を使っていたものの、これ…
3週間ほど前、韓国のKBSニュースを見ていたところ、イスラムを専門とする先生が、キャスターの質問に答えて、ラマダン期間中、イスタンブールで注意すべき点を述べていた。ラマダンに断食するイスラムの教義について説明し、日中の飲食や夕刻の飲酒に一…