昨年辺り、ネットで読んだ記事じゃないかと思うけれど、「小林秀雄、福田恆存という保守派の論客が、いずれもフランス文学、シェイクスピア戯曲などの評論から出発していることは偶然ではあるまい・・」といったように書かれていて、この部分だけ、『はあ、なるほど・・』と頷きながら、あとはチンプンカンプンのまま、概要さえ忘れていた。
先日、この記事を、小林秀雄の「考えるヒント」を少し読み直した際に、また思い出した。
『なるほど・・』と頷いたのは、トルコでイスラム的な保守派の人たちから敬愛されているネジップ・ファーズル(1904年~1983年)とジェミル・メリッチ(1916年~1987年)も、パリへ留学して、フランス文学から出発した保守の思想家だからである。
もっとも、私は、新聞のコラム等に引用されているのを読んだぐらいで、ネジップ・ファーズルもジェミル・メリッチも、その経歴を辛うじて知っていたに過ぎない。
今、その生年と没年を確認してみたところ、それぞれ、小林秀雄、福田恆存とほぼ同年代でもあったようだ。
保守的な友人たちから、「読んでみなさい」と勧められてもいるので、いつか評伝ぐらいは読んでみようか思いながら、歳月ばかりが過ぎて行く。
そもそも、日本語で小林秀雄を読んでも良く解らないのに、『そんなものをトルコ語で読んでどうするんだ?』という気もする。どなたか日本語に訳して下されば良いのだが・・・。
また、こういった保守派の論説が日本に紹介されれば、トルコの保守・イスラム、あるいは現政権などのイメージも大分変って来るのではないだろうか?