メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

ルム=トルコ在住のギリシャ人

12月はシュトーレンの季節

トルコに居た頃は、春から夏にかけて、チェリーやイチゴのような果物が市場に安く出回るのを楽しみにしていた。1~2kgぐらい買い込んで貪るように食べた。 日本でこんな贅沢はとてもできない。果物で季節に必ず食べるのは柿ぐらいなものだ。それも4個入…

トルコのインフレで大変な目に遭うところだった・・・

現在、トルコは利上げ後も収まらない激しいインフレで取り沙汰されているけれど、私が初めてトルコで暮らした1991年~94年、そして、アダパザル県クズルック村にある邦人企業の工場で働いていた1999年~2002年も、70%前後の激しいインフレ…

トルコのロマ人(ジプシー)差別

www.youtube.com このYouTube動画は、イスタンブールのロマ人が多く住む街区を紹介している。 ロマの人々はインドから流浪の旅に出て西へ移動し、15世紀頃にはヨーロッパの各地へ到達したようである。 トルコでは流しの楽団や花売りにロマ人が多いと言われ…

モルドバ共和国のガガウズ人

www.youtube.com このYouTubeの動画では、トルコ人のアルダ氏がモルドバ共和国のガガウズ自治区でトルコ共和国政府の協力によって設立された学校を訪れ、トルコ語の授業の様子などを紹介している。 モルドバ共和国の主要な言語はルーマニア語だが、自治区の…

ギリシャ正教会のエルピドフォロス大司教と宗務庁のエルバシュ長官

9月20日、ニューヨークで「Türkevi(Turkish House)」のオープニング式典がエルドアン大統領臨席のもとで執り行われた。 「Türkevi(Turkish House)」は、とりあえず「トルコ館」と日本語に訳して置く。 トルコ館は、1977年にIBMの社屋をトルコ…

ギリシャ語を話すトラブゾンの人々 / ヨルゴスと名乗る青年

《2007年1月24日付け記事を修正して再録》 2004年のいつ頃だったかギリシャへ出掛けた際、帰りのバスで、トルコ語とギリシャ語を話す青年に出会った。 国境のギリシャ側の免税店で、青年が両方の言語を使い分けている様子を見て、ルムと呼ばれる…

イスタンブールのイースター(復活祭)「アルメニア教会の賛美歌」

イスタンブールに住んでいた頃は、毎年、クリスマスやイースターの季節が巡って来るのを楽しみにしていた。 私には何の信仰もないし、クリスチャンでもないけれど、イスタンブールでギリシャ正教徒のマリアさん宅に間借りしていた2004~5年のクリスマス…

ギリシャの歌は日本で流行らないだろうか?

イスタンブールで最も賑わうイスティックラル通りを歩いていると、良くギリシャ語の歌を耳にした。CD店が広告用に流している場合もあれば、商店の経営者が自分の好きな歌を聴いている場合もあった。 さらに、チチェックパッサージュからネヴィザーデ小路へ…

「イスラムの土葬」

《2017年6月22日付け記事の再録》 2016年の10月だったか、「韓国で、火葬の割合が80%に達した」というニュースを読んだ。1988年、私が韓国に滞在していた頃は、土葬が殆どであり、火葬には強い抵抗を示す人たちが多かったので、何とも言…

中央アジアからやって来た「トルコ人」がアナトリアにもたらしたものは?

中央アジアからやって来た「トルコ人」は、アナトリアに何をもたらしたのだろう? まず、「セルジューク朝」という権力機構をもたらし、それから「オスマン帝国」を築き上げた。 オスマン帝国は、イスラム教を統治理念に掲げ、トルコ語にアラビア語やペルシ…

日本の正教会と韓国の正教会

2004~5年にかけて、イスタンブールで正教徒のルムである故マリアさんの家に間借りさせてもらったこともあり、私には正教会がとても身近に感じられるけれど、どうも日本では、カトリックやプロテスタントに比べて、あまりポピュラーな存在ではないらし…

二重国籍の是非

ギリシャとトルコの間を行ったり来たりしながら生活しているルムの人たちの多くは、当然、いずれの国籍も有しているのではないかと思う。ルムのスザンナさんと息子のディミトリー君も二重国籍者である。トルコでは、これに対して異議を唱える声など聞いたこ…

コンスタンティニイェからイスタンブールへ

2011年、セファ・カプラン氏のインタビューに答えた「国外の“イスタンブールのルム”国際協会」の会長ニコラス・ウズンオウル氏は、トルコ共和国の成立以後、国外への移住を余儀なくされた12万人のルムが、トルコへの帰還を希望していると明らかにして…

スザンナさん親子の近況

マリアさんの娘のスザンナさんは、2011年だったか、私も間借りしていたことがある旧宅を売り払ってしまい、今はアジア側のボスタンジュのアパート(日本で言うマンション)で、地階の比較的安い部屋を購入して住んでいる。昨日、久しぶりに訪ねて来たけ…

イエニ・イデアル(Yeni ideal)-イスタンブールの豚肉加工品店

数年前、何度か、ヨーロッパ側のドラップデレにある“イエニ・イデアル”という食料品店で、豚肉のハムやソーセージを買い求めたりした。やっぱりハムやソーセージは豚肉が美味しい。 それが、アジア側の外れのイエニ・ドアンへ越して以来、どうも足が遠のいて…

バルソロメオス総主教の人徳

“YouTube”でバルソロメオス総主教が、昨年、黒海地方のギレスンを訪れた時の映像を観た。目的が何であったのか、映像に何の説明も無いため良く解らないが、博物館や遺跡、高校、大学などを視察している。バルソロメオス総主教は、1940年の生まれで、昨年…

ルムの民族学校

昨年の11月、コンスタンティノポリ総主教庁の近くにあるルムの高校(ギリシャ民族学校)を見に行って、辺りを歩いていたら、やはり学校のような古い建物の前に人々が集まっている。訊くと、そこもかつてはルムの民族学校であり、その日は、展覧会が催され…

聖ゲオルギオス大聖堂のミサ/ヘイベリ島の神学校

昨日(11月30日)、聖ゲオルギオス大聖堂で、ローマ法王臨席のもとに営まれたミサの模様は、以下の“YouTube”から観ることができる。Pope Francis held a joint service in Istanbul together with Patriarch Bartholomew 荘厳で音楽も美しい正教のミサを…

スザンナさんのヌナ(名付け親)

昨日、ビュユック島へ行って来た。「エヴァおばさんに会いに行こう」とスザンナさんに呼ばれたからだ。エヴァさんには、もう4年ぐらい会っていなかったかもしれない。スザンナさんの名付け親だそうである。彼女はこのおばさんを「ヌナ」と呼んでいる。ギリ…

ボズジャ島“嵐の珍道中”

ボズジャ島の3日間の旅も終わり、昨日、イスタンブールへ帰って来た。今回の旅は、旅に出る2日前から“嵐を呼ぶ女”の登場で、波乱含みの幕開けとなった。“嵐を呼ぶ女”とは、故マリアさんの娘のスザンナさんで、私は彼女に“驚異の天然記念物女”という綽名を…

トルコの新年

大晦日の夜は、新年のカウントダウンなどがあったりして、ニシャンタシュやタクシム広場の辺りは、例年のように盛り上がったそうだ。他のイスラム諸国で、こういった新年行事は行なわれているのだろうか? おそらく多くの国が、公式にはグレゴリオ暦さえ採用…

イズミルからアテネへ・・・

Fide Köksal - İzmir'in kavakları トルコ人の女性歌手が、トルコのエーゲ海地方の民謡を歌っているけれど、これはギリシャの歌番組であり、私もルムの故マリアさん宅で同番組を何度も観たことがある。2004~2007年にかけてだった。出演者たちは、勝…

トルコの豊かな食文化

トルコの植物性油は、ヒマワリ油が安くて最も多く出回っているようだ。8月頃に、トラキア地方をバスで旅すると、一面黄色くなったヒマワリ畑が果てしなく広がっている光景に目を奪われる。 でも、トルコでサラダにかけるのは、何と言ってもオリーブ油だろう…

ビュユック島-ココレチ

ココレチは、羊腸を金串に巻いて焼いたもので、これをさらに細かく切って、トマトや唐辛子と一緒に炒めたりするけれど、そのまま輪切りにして食べても美味い。イスタンブール市内にも、ココレチのある店は多いが、店頭でココレチを焼いて輪切りにしてくれる…

ビュユック島のポアチャ

2006年の夏は、何度となくビュユック島のマリアさん別宅を訪れ、その度に私がムール貝を採って来て、それをから揚げやら炊き込みご飯にしてもらって夕飯を食べた。いつもその日は別宅に泊まり、翌日、少しおそい朝食を食べてからイスタンブールに戻った…

イスタンブールのルムは戻って来るのか?

昨年の11月、ジャーナリストのハールク・シャーヒンさんが、教鞭を取っているビルギ大学で、“イスタンブールの報道史(1830年-1914年)におけるルム(トルコ在住のギリシャ人)の報道機関とジャーナリスト”というシンポジウムを主催していたので…

バルソロメオス総主教

聖ゲオルギオス大聖堂のクリスマス・ミサでは、テレビのカメラもいくつか配置されて、撮影が進められていた。ギリシャの放送局じゃなかったかと思う。2007年に亡くなったマリアさんのお宅では、復活祭やクリスマスに、ギリシャのテレビの特集番組を衛星…

クリスマス・ミサ

今日、25日は、母たちをコンスタンティノポリ総主教庁の聖ゲオルギオス大聖堂へ案内した。もちろん、大聖堂ではクリスマスのミサが営まれる。私もここのクリスマス・ミサを見学するのは初めてだった。通常の日曜ミサでは、堂内にも自由に入れたけれど、さ…

アンティオキア教会

ハタイ県のアンタキヤに来ています。いにしえのアンティオキアです。昨日の夜、ハタイ空港に降りた時もイスタンブールより大分暖かいと感じたけれど、今日の昼はもう夏の陽気でした。30℃ぐらいまで上がったのではないかと思います。3年前、美術科の教員と…

驚異の天然記念物女

これまでにも度々話題にしてきた旧居の大家さん家族、3年前に大黒柱のマリアさんが亡くなって、今は娘のスザンナさんと彼女の息子ディミトリー君の二人だけです。 スザンナさんは今年で40歳になるけれど、相変わらず脳天気で、精神年齢は10歳ぐらいじゃ…