メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

聖ゲオルギオス大聖堂のミサ/ヘイベリ島の神学校

昨日(11月30日)、聖ゲオルギオス大聖堂で、ローマ法王臨席のもとに営まれたミサの模様は、以下の“YouTube”から観ることができる。

Pope Francis held a joint service in Istanbul together with Patriarch Bartholomew

荘厳で音楽も美しい正教のミサを、ローマ法王も堪能されたのではないか、と私は勝手に思っている。
2012年のクリスマスには、私たちも、ここでミサを見学したから、映像を観ていて何だか感慨もひとしおである。

ローマ法王の来訪で、昨日から色んな“YouTube”の映像を観た中に、以下のような場面もあった。宗務庁が2年前に配信した映像らしい。宗務庁のメフメット・ギョルメズ長官が、コンスタンティノポリ総主教庁にバルソロメオス総主教を訪ねて会談している


Diyanet İşleri Başkanı Prof. Dr. Mehmet Görmez - Basın ve Halkla İlişkiler Müşavirliği

会談後の記者会見で、ギョルメズ長官は、「これほど豊かな歴史のある国(トルコ)が、宗教家を育成する為に、他国を必要としているのは、この国の歴史、文化、文明、そして偉大さに全く相応しくない・・・」と語り、ヘイベリ島(ハルキ島)で閉鎖されたままになっている神学校の再開へ意欲を示している。
バルソロメオス総主教も卒業生の一人であるヘイベリ島の神学校は、オスマン帝国時代の1844年に創設され、共和国革命以降も活動を続けていたが、1971年、トルコ政府が教育省の管轄に組み入れようとした為、これに抵抗したコンスタンティノポリ総主教庁は学校を閉鎖したそうである。
この10年ぐらい、神学校の再開は絶えず議題に上がっているものの、ギリシャ共和国で少数派となっているムスリムにも、同等の権利が与えられるべきだという反発の声もあり、なかなか進展していない。
ギョルメズ長官も上記の発言に続けて、ギリシャ共和国トラキア地方に住むムスリム住民から、アテネのモスク建設に関する要望が寄せられていると明らかにしていた。
ヘイベリ島の神学校へは、3年ほど前、様子を見に出かけたことがあるけれど、やはり内部は見せてもらえなかった。しかし、クルドやアレヴィー派の問題と共に、こちらの解決も、もう後一歩の所まで近づいているのではないかと思う。