メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

2017-01-01から1年間の記事一覧

アルツハイマーの進行

母がアルツハイマーと診断されたのは2010年だった。この年の3月~4月にかけて、母は姉と共にイスタンブールを訪れていたけれど、時々、自分が何処へ来ているのか良く解っていないようなことを言うので、私も『これはちょっと変だ』と不安を感じた。そ…

アルツハイマーの症状

昨日、アルツハイマーの定期健診を受ける母を連れて、屋久島島内では、最大の医療機関である徳洲会病院に行ってきた。担当の女医さんによると、母はアルツハイマーを除けば、驚くほど健康な86歳であるという。アルツハイマーの方も、著しい進行は見られな…

フェトフッラー・ギュレン教団

先日、トルコ人ジャーナリストのインタビューに答えた駐アンカラ英国大使が、「7月15日クーデター事件」におけるギュレン教団の関与を認めたため、大きな話題になっていた。 事件から1年が過ぎ、ようやく欧米でも、ギュレン教団に対する認識が変化を見せ…

進化論の論争

日本のメディアでも、トルコの高校教育カリキュラムから「進化論」が外されたことが報じられていた。屋久島に引き籠ったまま、トルコの現地の様子を見聞できないのは残念だが、ネットの記事等を見る限り、非常に脱イスラム的な政教分離主義者らを除いて、以…

「我々は強くなければならない」:エルドアン大統領

野党CHPのクルチダルオウル党首らが、司法の「公正」などを訴えながら「行進」して以来、欧米では、トルコの「不公正な司法」への批判が、また高まりを見せていたらしい。これに対して、トルコの識者の中からは、「欧米を中心とする国際社会はどれほど公…

トルコとベネズエラ

2週間ほど前、サバー紙のコラムで、ヒラル・カプラン氏が、ベネズエラの軍事クーデター事件と故ウーゴ・チャベス前大統領の政治姿勢を詳細に伝えていた。失敗に終わった2002年の軍事クーデターは、ウイキペディアの日本語版にも、「CIAの支援を受け…

「7月15日クーデター事件から1年/プーチン大統領が語ったクーデター事件」

1年前の7月15日の夜、悪夢のようなクーデター事件が勃発した。しかし、イスタンブールの外れのイエニドアンの街に住んでいた私は、あの日、11時半頃に就寝したまま、事件には全く気が付かず、朝まで眠りこけていた。 朝起きてから、事件の概要を知り、…

大団円で幕を下ろした「行進」

第一野党CHPのクルチダルオウル党首らが、「公正」を掲げて、アンカラから歩き始めた「行進」は、9日、イスタンブールのマルテペ広場で多くの群衆に迎えられて幕を下ろした。途中、事故や騒乱もなく、平和な雰囲気が維持されたことを与野双方の識者らが…

屋久島の宗教事情

水曜日(5日)、宮之浦のクリーンセンターへ粗大ゴミを捨てに行った際、少し先にある“一湊”という漁港町に寄ってみた。屋久島では、最も北側に位置する町らしい。高台に上がって町を眺め渡せば、港を覆うように海へ突き出した岬の三つ並んだ峰の姿が、なかな…

糖質制限のダイエット効果

昨年、一時帰国中に糖質制限を始めると、66~67㎏ぐらいあったはずの体重が、40日間で苦も無く62~63㎏まで減っていた。6月からまたイスタンブールで糖質制限を再開させて、7月中は超糖質制限(MEC)も試みていたため、一時的には、もっと減…

ヨーグルト:トルコVS 日本

帰国して以来、暫くの間、どうも“お通じ”の具合が良くなかった。食生活等で、いったい何が変わったのか考えて見ると、思いつくのは“ヨーグルト”ぐらいである。イスタンブールでは、毎日のように、大量のヨーグルトを食べていたからだ。それで、乳酸菌の整腸…

「龍神の滝」の謎

犬の散歩で、毎日のように眺めている「龍神の滝」。落差は30mに満たないそうだが、大雨で水量が増した時などは、結構、迫力も感じられる。それに、手前の木立に隠れて良く見えないものの、水しぶきを上げて落下する“滝”が、もう一つあるらしく、とても気…

パンにシュクル(感謝)!

今日(7月1日)の昼は、尾之間の辺りまで散歩に行き、途中、「パン・ド・シュクル」というパン屋さんで、菓子パンを買って食べた。クランベーリーとクリームチーズの入ったパン、それからカスタードクリーム入りのデニッシュが非常に美味かった。東京は足…

千尋の滝

昨日、朝の9時近くまで相当な雨量があったので、雨が上がると、「千尋の滝」へ様子を見に行った。姉の家から、歩いて25分ぐらいである。案の定、展望所から眺められる滝は、豊かな水量により、なかなか迫力があった。この「千尋の滝」は、落差が60mに…

エルドアン大統領に対する識者の評価

エルドアン大統領を支持する識者の多くは、その資質として、胆力というか、何事にも動じない“堂々とした態度”を挙げている。歴史学者のハリル・ベルクタイ氏も、先日、出演したテレビ番組で、「ギュレン教団の策謀に対して、全くパニックに陥ることがなかっ…

糖分の過剰摂取とアルツハイマー症

血糖値と血圧の関係について、私がネットで少し調べてみただけだから、大して当てにもならないけれど、どうやらエルドアン大統領が失神してしまったのは、血糖値の急上昇により、インスリンが過剰に分泌されたため、今度は血糖値が急降下して低血糖症を催し…

エルドアン大統領は糖質制限を!

トルコでは、ラマダンが終わって、祝祭の公休日も今日が最終日らしい。とはいえ、遠く離れた日本の屋久島にいると、情報として解っているだけで、残念ながら、何の実感も湧いて来ない。もちろん、私はイスラム教徒じゃないので、イスタンブールにいた頃も、…

弱肉強食の世界と国家の利益

トルコの情勢について、また愚にもつかない論評めいたものを書いてしまったけれど、既にトルコを離れて、ネットから得られる情報だけが頼りであり、生活に密着した“地べた目線”によるレポートなどは、もう書きようもないのである。国際政治も経済も何一つ解…

CHP党首の行進

第一野党CHPのクルチダルオウル党首らが、CHPの議員でもあるジャーナリスト“エニス・ベルベルオウル氏”の懲役刑判決等々に抗議して、「公正」のプラカードを掲げながら、アンカラからイスタンブールまで徒歩の行進を続けているニュースは、日本のメデ…

イスラムの土葬

昨年の10月だったか、「韓国で、火葬の割合が80%に達した」というニュースを読んだ。29年前、私が韓国に滞在していた頃は、土葬が殆どであり、火葬には強い抵抗を示す人たちが多かったので、何とも言えず時代の移り変わりを感じてしまった。それから…

トルコのイスラム主義

トルコの主要なニュース専門局は、“YouTube”で「ライブ配信」を行っている。現地時間の夜9~11時頃には、なかなか興味深い時事討論番組などがあったりして、イスタンブールにいた頃は、毎日のように何れかのニュース専門局を視聴していた。 しかし、屋久…

韓国のロマンティズム

今日(6月12日)のサバー紙のコラムで、ハサン・ビュレント・カフラマン氏は、今後、カタール等を始めとする中東の問題に、トルコが大きな役割を果たせる機会は余りないだろうと論じている。中東の行く末は、米露の両大国に委ねられてしまったらしい。こ…

アルジャジーラが取材した「イラン革命」

先日、“YouTube”の“おすすめ”に出ていた以下の動画を観た。İran: Bir Devrimin Anatomisi - Al Jazeera Türk Belgesel 3年ほど前に、アルジャジーラ・トルコが放送したと思われるドキュメンタリー番組で、1979年の「イラン革命」とその背景に迫っている…

トルコの人情もいずれはすたれるのか?

トルコでは、イスタンブールのような大都会にも、まだ結構人情味が残っている。例えば、私が住んでいたイエニドアンの街などは、暖かい人情が感じられて、とても暮らしやすかった。しかし、これから新しいマンションがどんどん建って、街の人口が急激に増え…

屋久島の日常・のどかな南の島の人情

屋久島では、姉が計画している果樹園の準備で、時々穴を掘ったりする作業が私に任されているくらいであり、これも今月中には一段落つくらしい。その後は、島内で仕事が見つからなければ、鹿児島や関西辺りまで出て行かなければならなくなるかもしない。それ…

モッチョム岳

今日は快晴に恵まれたので、母を介護デイサービスに送り出してから、姉の家の目の前に聳え立っているモッチョム岳(940m)に登って来た。昭文社の「山と高原地図」を見ると、登山口の駐車場から頂上まで、登りが2時間50分、下りは2時間と記されてい…

トルコのイスラム

先日、上記の駄文に、清貧に徹した故ビュレント・エジェビット元首相の暮らしぶりは、一方で、「模範的なイスラム宗教者の生活と言えたかもしれない」なんて書いてしまったが、これはちょっと言い過ぎだったと思う。強固な政教分離主義者として知られた故エ…

トルコの“激動の4年間”

2013年6月のゲズィ公園事件から4年が過ぎた。トルコにとっては、まさしく“激動の4年間”だったと言える。ゲズィ公園事件の当時も、トルコでは、この事件を外国によって焚きつけられた騒乱と見做す“陰謀論”が盛んに論じられていたけれど、今、その後の“…

少々の不具合には文句を言わなかったトルコの人たち

いつだったか、友人の親戚がイスタンブール市内に家を新築したので、お祝いに行ったところ、日本人の感覚からすれば“豪邸”と言っても差し支えない立派な造りなのに、風呂場のタイルが少し剥がれていて配管がむき出しになっていたのである。日本へ留学したこ…

「トルコは競争社会にならなければならない」?

トルコでは、イブン・ハルドゥーンという14世紀のイスラム学者の名を冠した大学が新設されたため、「イスラム化の動きか?」といった議論が巻き起こっていたらしい。これに対して、サバー紙のハサン・ビュレント・カフラマン氏は、5月24日付けのコラム…