メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

屋久島の日常・のどかな南の島の人情

屋久島では、姉が計画している果樹園の準備で、時々穴を掘ったりする作業が私に任されているくらいであり、これも今月中には一段落つくらしい。その後は、島内で仕事が見つからなければ、鹿児島や関西辺りまで出て行かなければならなくなるかもしない。
それまで、島の日常としては、毎日朝夕、母と犬の散歩に出かけ、日曜日は軽トラで一週間分の買い出しに出かける。
犬の散歩は、母の足が大分弱ってしまったため、起伏の少ない道を選んで、2~3kmが限度になっている。3年前は、5km程度を平気で歩いていたから、この間の衰えには急なものが感じられる。
5月14日に、ヤクスギランドというハイキング場を歩いた時も、最短の30分コースで母は疲れているように見えた。3年前であれば、最長の150分コースでも楽勝だっただろう。
そんなこともあって、なるべくなら屋久島から余り遠くへは行きたくないと思っている。
日曜日の買い出しは、軽トラの助手席に母を乗せて、小瀬田という所まで行く。途中、ヤクスギランドのような観光地にも寄ったりして、昼食は菓子パンなどで済ませる。
姉が家で作る食事は、全て糖質制限なので、実を言うと、私もこの菓子パンが待ち遠しくなっていた。母は週6日の介護デイサービスで、普通の昼食を食べているものの、私が糖質制限を緩められるのは、この時だけである。
昨日は、母と一緒にアンパンを食べて非常に満足した。イスタンブールでも、週に一度ぐらいは糖質制限を破って、菓子類も楽しんでいたけれど、やはり日本のアンパンの美味さは格別だ。
小瀬田には、大きなスーパーマーケットが2軒並んでいて、姉の指示により、各々で買うものが決まっている。
ドラッグストアモリ、通称“ドラモリ”では、豆腐やキャベツ等々、隣のサムズでは、卵やニンジン等々といった具合である。
ドラモリは、九州や中国・四国地方に展開している大規模スーパーで、なかなか品揃えが良い。サムズは、屋久島と種子島に店舗を構える“地元密着型”のホームセンターで、家電や園芸用品も扱っている。
昨日は、サムズで“鹿沼土”という園芸用品を買うことになっていて、店先に出ていた若い店員さんに訊くと、直ぐに外の園芸用品置き場から“鹿沼土”を担いできて、軽トラの荷台に積み込んでくれたうえ、「レジで“鹿沼土”を2袋と言ってください」と言うので驚いた。客の自己申告に任せているらしい。
それから、店内に入ったところ、いつもの野菜売り場にニンジンが見当たらない。そこへ、先ほどの青年が通りかかったので、今度はニンジンの有無を尋ねたら、また直ぐにニンジンの箱を倉庫から持ってきて、必要な3パック分を小分けせずに素早く一つの袋に入れてくれた。
しかし、他の買い物も揃えてからレジへ行くと、レジ係の女性は、下の方に隠れているニンジンの袋を良く見ないまま、「ニンジン、1パックですね」と1パック分の価格を打ち込んだのである。
私が慌てて、「3パック分ですよ」と自己申告したら、「あらあ、どうもありがとう!」と嬉しそうに訂正していた。もちろん、“鹿沼土2袋”の自己申告も忘れなかったけれど、青年はレジまで来なかったし、レジ係の女性も店先へ出て、軽トラの荷台を確認しようとはしなかった。
実にのどかな南の島の人情を感じて私も嬉しくなった。

merhaba-ajansi.hatenablog.com