メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

日本教/山を呼び寄せるモハメッドの話

先月の28日の駄文に、自分は俗にいう「日本教」の信者かもしれないと書いたけれど、この「日本教」という言葉は、山本七平が以下の著作で明らかにした「四教合一論的日本教徒」のようなものだと思いながら使っていた。 それから、ウィキペディアで「日本教…

エルドアン大統領のカリスマ的な人気

エルドアン大統領ほど毀誉褒貶の激しい人物も珍しい。カリスマ的な人気がある一方、蛇蝎のように嫌う人たちもいる。どちらかといえば、エルドアン大統領をそれほど好んでいない左派ジャーナリストのメフメット・テズカン氏は、出演したニュース番組で、「ク…

トルコはまたしても土壇場で強さを見せた

20年ぐらい前だと思うが、日本の雑誌か何かに載っていた西欧の小説の一節を読んでいて、登場人物のセリフに驚いた。「世の中には信じ難いこともある。例えば、トルコという国が未だ滅んでいないように・・・」こんなセリフだったと記憶している。トルコと…

各国におけるギュレン教団の活動

(8月26日) 今日(8月26日)のヒュリエト紙のコラムでイスメット・ベルカン氏は、ギュレン教団の海外における活動を封じ込めるため、より迅速に対策を講じなければならないと論じている。 例えば、非常に親トルコ的な友好国と言える北イラク・クルド…

ギュレン教団のアメリカと日本における不正疑惑

バイデン副大統領のトルコ訪問では、フェトフッラー・ギュレン師の送還も議題に上ったものの、バイデン副大統領は「クーデターへの関与が立証されれば法的な処置を取る」という従来通りの表明を繰り返しただけだった。トルコの一般的な論調では、ギュレン教…

トルコ軍の越境/クーデター事件がもたらした協調・和解ムード

(8月25日) 昨日(8月24日)の未明、トルコ軍はシリアとの国境を越えて、自由シリア軍と共に、ISの勢力下にあったジャラブルスへ進撃した。 ISは、YPGを中心とするクルド勢力によって、要衝地のメムビチを追われ、さらにトルコ国境に近いジャ…

カドゥキョイでエフェスの生ビール

昨日(8月23日)、久しぶりに、カドゥキョイのアルトゥヨル(六差路)近くのカフェでビールを飲んだ。2013年の夏以来じゃないかと思う。辺りは僅か3年の間に随分様変わりしていた。いつものカフェには、見覚えのある店員もいたが、元の経営者の女性…

紳士的な警察官

先日話題にした「ギュレン教団による士官高校の不正入試」(8月18日付け)、教団メンバーの受験生は、数学のテストを事前に入手することで、30の設問に満点解答していたらしい。しかし、不正といっても、これはある程度数学の実力がなければ通用しなか…

ソフトターゲットのテロ

ガジアンテプは、1993年の夏に一度だけ訪れたことがある。当時は、東隣のウルファとそれほど変わらない“クルドとアラブの街”という印象だった。23年経った今では、産業化が進んで見違えるような大都市になったそうである。クルド人の人口が多いにも拘…

ガジアンテプの自爆テロ

昨日(8月20日)、南東部のガジアンテプで、結婚式の宴を襲った自爆テロの犠牲者は50人を超えているらしい。ISの疑いが濃厚と言われているけれど、犠牲者の方々は、信仰に篤い一般のイスラム教徒じゃなかっただろうか? いったい何を目的に、テロを仕…

チャヴシュオウル外相がイランを電撃訪問

昨日(8月19日)、チャヴシュオウル外相は、予定されていたインド訪問の途上、突然、イランに立ち寄って耳目を驚かせている。ザリーフ外相とシリア情勢を中心に話し合ったと報じられているが、詳しい内容は殆ど明らかになっていないらしい。ザリーフ外相…

欧米は中東の民主化を望んでいたのだろうか?

トルコのメディアでは、アメリカがギュレン教団を背後で操っていたという“陰謀論”が相変わらず飛び交っている。エルドアン大統領まで、それを遠回しに仄めかして煽るものだから、ちょっとやそっとじゃ収まりそうもない。もちろん、こういったアメリカと敵対…

騎馬民族と中国から始まる夢物語

40年以上前、中学高校の頃、トルコに関心を持ち始めたのは、騎馬民族への興味からだった。井上靖の「蒼き狼」などを読んで、ぼんやりした憧れを懐いていたのである。チンギスハンのモンゴルはもちろん、ヌルハチの後金(清朝)に至るまで、騎馬民族の物語…

士官高校の入試不正

今日(8月17日)のヒュリエト紙のコラムでイスメット・ベルカン氏は、閉鎖された“士官高校”が如何なる状態に陥っていたのか、入学試験結果の統計をもとに論じている。それによると、2004年以降、数学の30の設問を満点で解答した受験生が急激に増え…

質実剛健の気風

昨年の末頃、“YouTube”により、ドイツの農村で「豚の屠殺・解体」を取材した日本のドキュメンタリー番組を観た。 遠い昔、冬の寒さが厳しいその村では、秋の間にドングリなどを食べさせて太らせた豚を屠殺・解体すると、血や内臓も余すところなくソーセージ…

ちょっと寂しいスルタンアフメット

(8月15日) 世界遺産に登録されている「イスタンブール歴史地区」の中核をなすスルタンアフメット。8月には、多くの観光客で賑わっていなければ困るが、今日(8月15日)出かけて見たところ、素晴らしい快晴にも拘わらず、「賑わっている」と言うには…

トルコとロシア

オスマン帝国の時代には何度も激しい戦争があり、冷戦の時代も西側陣営の一員として対峙させられていたため、トルコはロシアと犬猿の仲であるかのように言われていたけれど、国家体制はともかく民衆レベルでは、トルコの人々がロシアにそれほど悪感情を懐い…

トルコに軍人という階級はあったのだろうか?

(8月13日) トルコでは、共和国の建国以来、長い間、軍部が実質的に国家を支配していると考えられて来た。 この支配者の意に沿わない政党が選挙で勢力を伸ばした場合、軍部と共に絶大な力を持っていた司法の介入により、あっけなく解党されてしまう。解…

クーデターの夜にモスクから響いた祈りの声

クーデターのあった7月16日の未明、トルコ全国のモスクから、“セラ”というアラビア語の祈りの声が響いていたという。イエニドアンの近所のモスクからも響いていたはずだが、私はぐっすり寝込んだまま全く気がついていなかった。未明の2時ごろだったらし…

死刑と民主主義

(8月11日) 連日連夜、各地で繰り広げられていた「クーデター反対集会」も、昨晩(8月10日)を最後にようやく閉幕した。 当初は、日曜日の「民主主義と犠牲者のための大集会」で大団円を迎えるはずだったが、どういうわけか、突然3日間延期された。 …

エルドアン大統領がロシアで手に入れたもの?

昨日(8月9日)、エルドアン大統領は、ロシアのサンクトペテルブルクを訪れ、プーチン大統領と会談した。日本でも報道されているように、トルコとロシアは、今後、段階的に関係を修復していくことになる。しかし、今のところ、昨年11月のロシア機撃墜事…

討論番組の議論

(8月9日) 昨日(8月8日)、ハベルテュルク放送の時事討論番組で、左派ジャーナリストのギュルカン・ハジュル氏が論じたところによれば、クーデターに加担して拘束された後、ギュレン教団との関係を否定している将校らの陳述は、非常に疑わしいそうであ…

イエニカプ-新しき門

(8月8日) 昨日(8月7日)、イスタンブールのイエニカプ広場で開催された「民主主義と犠牲者のための大集会」には、いったいどのくらいの市民が集まっていたのか? 300万を超えていたのではないかとも言われている。広場を埋め尽くした人々のエネル…

ギュレン教団の特色/軍の文民統制

トルコ政府は、軍や司法、教育等々の機構から、ギュレン教団系の排除を進めているが、その後の空白に、他の特定の教団やグループが秘かに勢力を浸透させてしまう恐れも囁かれている。かつての抑圧的な政教分離主義により、あらゆる教団的な活動が規制されて…

ウルデレ爆撃事件~フラント・ディンク暗殺事件

クーデター事件以来、ギュレン教団に関する様々な疑惑が浮上してきたため、この10年ぐらいの間の出来事は、異なる角度から見直さなければならないと言われている。例えば、昨年11月のロシア機撃墜を企図したのが、紛れもなく教団だったとしたら、エルド…

エルドアン大統領の謝罪

(8月5日) 一昨日(8月3日)、エルドアン大統領は、自分たちがもっと早くギュレン教団の実態を見極めていなければならなかったとして、神と国民から許しを請うた。 これに対して、「責任を追及される前に、先手を打って謝ったんだろう」とか、「野党側…

ギュレン教団の空軍・戦闘機への執着?

(8月4日) クーデター事件の全容は、加担した将校らの告白などにより、少しずつ明らかになってきたようだが、どうやらギュレン教団とは関係のない将校の中にも、「クーデター」と知りながら、躊躇うことなく指示に従って行動した者が少なくなかったらしい…

主権は国民にあり

(8月3日) 今日(8月3日)、ヨーロッパ側に渡って、カラキョイからイスティックラル通り、タクシムにかけて歩いた。 街は普段の様子とまったく変わりなかったが、やはり外国人のツーリストらしき姿は少なく、また、その殆どが東欧であるとか、中東、北…

尊師の魅力?

(7月31日) 一昨日(7月29日)、ギュレン教団との関連が疑われているジャーナリストのナズル・ウルジャク氏(女性・71歳)が、滞在先のボドルムで拘束された。 ウルジャク氏は、7月15日にクーデター事件が起こるまで、ギュレン教団の実態を理解…

テロリストにならずに済んで良かった

一昨日(7月29日)拙訳したこの記事からもうかがい知れるように、トルコの人たちは、西欧の余りにも冷ややかな態度に驚き、戸惑っているのではないか。トルコを見下した西欧の冷たい態度は、日本の報道にも反映されているような気がする。戦車を素手で押…