メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

士官高校の入試不正

今日(8月17日)のヒュリエト紙のコラムでイスメット・ベルカン氏は、閉鎖された“士官高校”が如何なる状態に陥っていたのか、入学試験結果の統計をもとに論じている。
それによると、2004年以降、数学の30の設問を満点で解答した受験生が急激に増え始め、2010年に至っては、1214人の受験生が満点解答し、2013年までほぼ同様の状況が続いたそうである。(士官高校の定員は1040人)
しかし、2013年の末、ギュレン教団に対する取り締まりが始まり、士官高校の入試を含む様々な試験で不正が行われている疑いから、試験管理システムに大幅な変更を加えたところ、翌2014年、士官高校入試の数学で満点解答した受験生は、わずか2人になってしまったという。
つまり、それまでは、ギュレン教団が入試問題を前以て入手して、教団のメンバーの受験生に見せていたらしい。これでは、2013年までに入学した士官高校生徒の相当な部分が、教団のメンバーで占められていると疑わざるを得ない。士官高校を閉鎖したのは、当然の処置だったのではないか。
他の様々な入学・資格試験等でも、同様の不正が行われていたようだ。
2009年~2011年に教育相を務めたニメット・バシュ氏(女性)は、教員試験の結果に不審を懐き、これを無効とする介入に踏み切っていた。ベルカン氏は、このニメット・バシュ教育相の処置を伝えたうえで、何故、士官高校入試の異常さには誰も気が付かなかったのかと疑問を呈している。
確かに、30点満点の受験生が1214人もいたら変だろう。不正はもちろんだが、その余りにも明け透けなやり方に驚かされる。当時、ギュレン教団は絶大な力を持っていたため、かなり驕りがあったのかもしれない。それにしても、なんと汚い手を使う人たちだったのかと呆れて溜息が出てしまう。

*写真アルバム:ボスポラス海峡/アジア側のカドゥキョイから、ヨーロッパ側のエミノニュまでの船旅。
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