メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

エルドアン大統領がロシアで手に入れたもの?

昨日(8月9日)、エルドアン大統領は、ロシアのサンクトペテルブルクを訪れ、プーチン大統領と会談した。日本でも報道されているように、トルコとロシアは、今後、段階的に関係を修復していくことになる。
しかし、今のところ、昨年11月のロシア機撃墜事件以前の状態に戻すのが目標であり、それ以上の進展は未だ望まれていないらしい。
ギュレン教団がロシア機撃墜を企図した」という“陰謀論”はともかく、もしもあの撃墜事件が、エルドアン大統領や政府の意に反して起こった“突発的な事件”であったとすれば、事件直後から関係の修復は模索されていたのかもしれない。
いずれにせよ、トルコの多くの識者は、「トルコがEUを離れてロシアに接近する」といった画期的な意味のある会談ではないと論じている。トルコの経済にとって最も大きな存在は、あくまでもEUのようである。
一方、今日(8月10日)のヒュリエト紙のコラムで、ムラット・イエトゥキン氏は、訪露一行の中に、MIT(国家情報局)のハーカン・フィダン長官も含まれていた点に着目して、非常に興味深い推論を記していた。おそらく、ギュレン教団の問題も話し合われたのではないかという。
現在、ロシアにギュレン教団が運営する学校は存在していない。当時のエルドアン首相が勧めたにも拘わらず、プーチン大統領は、ギュレン教団をCIAの協力者であると見做して、教団の学校を閉鎖させてしまったからだ。
イエトゥキン氏によれば、エルドアン大統領がそういったギュレン教団に関する資料を手に入れて来たとしても驚いてはならないそうである。

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