メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

2022-01-01から1年間の記事一覧

エデンの東

最近、ネットからトルコ語で視聴するのは報道番組ばかりになってしまったが、以前は洋画のトルコ語吹き替え版を良く観ていた。その多くは「ローマの休日」といったクラシックな作品である。 もちろん、これはトルコ語の学習を兼ねている。しかし、トルコ語の…

王将のムーシューロウ/中国の清真料理

上記の駄文に、「餃子の王将」では、いつもニラレバと餃子ばかり食べているような話を書いてしまったが、昨日はムーシューロウと餃子だった。ムーシューロウも美味い。 王将のメニューには「肉と卵のいりつけ」と記されているけれど、厨房へオーダーを通す際…

ロシア人の皮を1枚めくるとトルコ人が現れる?

この「韓国人の血」という駄文に、韓国の人たちと激しい論争を経て仲良くなった話を書いたけれど、日本人やトルコ人とも同様の経験はあったと思う。やはり、言い争ったりして多少とも本音をぶつけ合うことで、人と人は一層親しくなれるのかもしれない。 規模…

戒厳令~プーチン大統領は法治主義者?

今朝、YouTubeで視聴した「Transatlantik」というトルコの番組で、オメル・タシュプナルという政治学者が、ロシアに併合された4州で戒厳令が発令された問題について語っていた。 タシュプナル氏によれば、この戒厳令は驚くに値しない当然の成り行きだそうで…

「韓国人の親戚」

《2008年9月30日付けの記事を修正して再録》 この「韓国人の血」という駄文に、「少なくとも明治以降、親族に韓国人がいたという話は聞いていない」と記したけれど、親族に韓国人の女性と結婚した男性はいる。父の叔母の次男の方である。 父の家は戦…

「韓国人の血」

《2008年9月29日付けの記事を修正して再録》 1989年、韓国の会社の東京支社で働いていた頃の話である。 来日した本社の連中と取引先を回ってから、上野駅近くのホテルに案内したところ、「まあ貴方も一杯やっていきなさい」と誘われた。そして、…

ウクライナ戦争の行方は?

トルコの報道を見ていると、欧州はかなり難しい状況にあるらしい。特に、天然ガスをロシアからの輸入に頼っていたドイツは、この冬をどうやって乗り切るかが大きな課題になっているという。それでも、対ロシア経済封鎖を推し進めようとする米国に従っている…

ベオグラードからの便り!/新しいメールアドレス

先週の日曜日、夜中の3時にフェイスブックのメッセンジャーがビービー鳴って起こされてしまった。鳴り終わってから発信者を確認したら、2005年にイスタンブールのマルマライの工事現場で知り合ったサッドゥルラーだった。サッドゥルラーという名はちょ…

豚の皮のお菓子「チチャロン」

加古川の市内に「マリポサのチチャロン」という屋台のような小さな店がある。配送のトラックで毎日のように前を通るため、1月からこの仕事を始めて以来、とても気になっていたけれど、「火・水・木」は休業と貼り出されているばかりでなく、週末もやってい…

「炭鉱事故」

《2014年5月18日付けの記事を一部省略して再録》 (2014年5月)トルコの炭鉱事故は、日本でも大きく報道されたようである。イスタンブールのデモの様子まで伝えられたため、こちらの治安を心配して連絡してきた人もいるという。デモに燃える若者…

エルドアン大統領とプーチン大統領

来年、トルコでは大統領選挙が実施される。現在の強権化された大統領制は、2017年4月の国民投票で改正された憲法に基づき、任期は5年で2期務めることができる。 2018年6月の選挙で当選したエルドアン大統領は、この大統領制では1期目と見做され…

イランとトルコのスカーフの問題

イランで、スカーフを正しく被っていなかったとして道徳警察に逮捕された女性が死亡した事件に端を発した抗議活動は、激しい弾圧にも拘わらず勢いを増しているという。 イラン政府が「スカーフを外す自由」を認めて収拾を図ってくれたら良いが、果たしてどう…

プラハで開催された欧州政治共同体のサミット/マクロン大統領に冗談を言うエルドアン大統領

今年発足した「欧州政治共同体」の初サミットがプラハで開催された。 トルコのエルドアン大統領とアルメニアのパシニャン首相は、サミットの期間中に会談する予定で、いよいよトルコとアルメニアの関係も正常化するのではないかと期待が高まっている。 以下…

ロシアはウクライナの何処で核兵器を使用するのか?/ロシア人にとってウクライナ人とは?

「ロシアから最も近い所にある米国の核兵器は?」。それはトルコ南東部インジルリクの米軍基地(NATO基地)に配備されている核兵器である、とナイム・バビュルオール氏は指摘していたが、実際に使用される可能性については否定している。 元軍人の外交専門家…

トルコの報道番組で論じられているウクライナ戦争の問題/ロシアから最も近い所にある米国の核兵器は?

朝の出勤前は、食事したりしながら、YouTubeでトルコの時事報道番組を見ていることが多い。トルコにはニュース専門局が何局もあって、ニュースと共に2~3時間に及ぶ長い時事討論や時事解説の番組を放送している。トルコに居た頃は、そういった番組を最初か…

「我々はフランス人の千倍もビザンチンの子孫である(ラディカル紙/ネシェ・ドュゼル氏のコラム)」

《2004年12月27日付けの記事を修正して再録》 *旧ホームページよりブログへ移し替える際、この記事の後半部分を欠落させていたことが解ったので、欠落部分を補填すると共に、ここに改めて再録します。 *********************…

トルコとギリシャの緊張/トルコの中にあるギリシャ的な要素?

トルコでも、ロシアによるウクライナ4州の併合は大きな話題になっているけれど、このところトルコの時事討論番組で最も多く取り上げられている外交問題は「トルコとギリシャの間に高まっている緊張」ではないかと思う。 最近、米国は、ギリシャのトルコ国境…

助六の苦いビーフシチュー

《2013年12月25日付け記事を修正して再録》 うちでは、母が、1970年頃から2000年まで、神田駅の近くで雀荘を経営していた。もともと父がやっていたのを、私が小学校4年生の頃、母が引き継いだのである。この雀荘の2軒先に、“助六”という洋…

美食の喜びも3000円の壁?

この「私が乗っていた高級車とは?」という駄文にも記したように、私は自動車を所有していたことがないし、今後も買いたいとは思わない。 仮に「一億円宝くじ」が当たったとしても車は買わない。というより、同様に高額なもので買いたいものなど何一つ思い浮…

「姫路の美味しい中華」と「高い家賃を払っても商売になる料理店」

銭湯へ行ったりして姫路まで出ると、以前はいつも「餃子の王将」で食べていた。餃子は本当に安くて美味しい。しかし、酢豚や青椒肉絲のような料理は、いまいちパッとしない。そのため、毎回、食べるのは餃子とニラレバに決まっていた。 これではさすがに飽き…

トルコ共和国は地域の平和の要

上記の駄文でお伝えしたように、かつては反イスラム的と思われていた共産主義者のドウ・ペリンチェク氏も今はイスラムを否定していない。それと共に、オスマン帝国の歴史も肯定的に語るようになったのではないかと思う。 ペリンチェク氏に限らず、多くの左派…

第三次世界大戦の可能性?

ウクライナ戦線で苦境に立たされたロシアが部分的動員令を宣言したという。もっとも、ウクライナの方は、もとより男子の海外渡航まで禁じる総動員の態勢で臨んでいた。 トルコの軍事評論家らによれば、ウクライナが攻勢に転じたのは、米国が射程距離の長いミ…

私は食べ過ぎで運動不足?

一昨日の日曜日、姫路の銭湯で入浴前に体重を計ったら「59・80㎏」、入浴後には「57・35㎏」まで落ちていた。 警備員をやっていた頃も緩い糖質制限は続けていたけれど、なかなか体重は減らなかった。やはり、配送の運転手に転職して、毎日の運動量が…

共産主義者ドウ・ペリンチェク氏のイスラム?

トルコの上海協力機構への加盟を巡る議論、断固反米の姿勢で知られる祖国党のドウ・ペリンチェク氏は、加盟と共にNATOからの脱退を強く主張している。 祖国党は2015年までの「労働者党」であり、ペリンチェク氏は共産主義による革命を標榜していた。…

上海協力機構首脳会議の会場で腕を組んで歩いたエルドアン大統領とプーチン大統領

ウズベキスタンのサマルカンドで開催された上海協力機構の首脳会議に、NATOの加盟国であるトルコが「対話パートナー」として参加したのは、もっと大きく報じられても良いニュースだったのではないかと思う。 もちろん、トルコでは各ニュース専門局の討論…

丸福珈琲のホットケーキ

昨日、難波へ出たので、久しぶりに丸福珈琲のホットケーキを食べて来た。 最近は、フワフワとか極厚とか色んなホットケーキが流行っているようだけれど、これは昔ながらのシンプルなホットケーキで、何だかホッとする味わいである。 かつて、神田須田町にあ…

エアコンの災い?

9月に入ってからも暑い日が続いているけれど、朝夕は大分過ごしやすくなったように感じられる。 今日は空の様子も何となく秋めいて、日中の暑さもそれほどではなかった。 私は寒さよりも暑さに強く、「夏男」を自称してきたが、さすがに7月~8月の暑さは…

日本でもトライリンガルが珍しくなくなる日?

この「工事現場の議論」という駄文に記した現場作業員のトルコ人青年は、トルコ語・アラビア語・クルド語のトライリンガルだった。 果たしてどのくらいのレベルでアラビア語やクルド語を話すことができたのか私には解らないが、彼の出生地であるマルディン県…

黄昏の日本?:少子化と移民の受け入れ

コロナの3年間で、日本の出生率はさらに低下してしまったという。マスクで顔が見えないのも若者たちの恋愛感情を妨げ、未婚が増える要因の一つになっているらしい。 確かに、マスクで顔が見えない相手には恋心も湧かないだろう。 日本で少子化の問題が騒が…

ジャパニーズ・ドリーム

《2018年7月29日付け記事の再録》 2016年の7月16日、トルコで軍事クーデターが市民らの抵抗によって阻止された事件を欧米各国や日本の報道は、まるでクーデターの成功を望んでいたかの如く冷ややかに伝えていたようである。ところが、あの日、…