メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

豚の皮のお菓子「チチャロン」

加古川の市内に「マリポサのチチャロン」という屋台のような小さな店がある。配送のトラックで毎日のように前を通るため、1月からこの仕事を始めて以来、とても気になっていたけれど、「火・水・木」は休業と貼り出されているばかりでなく、週末もやっていたりいなかったりで、なかなか寄る機会がなかった。しかも、営業時間は昼の11時頃から2時頃までの間に限られている。

4月になって、ようやくここで「チチャロン」を買い求めることができた。「チチャロン」とは、豚の皮を油で揚げた煎餅のようなもので、家に帰ってからコチュジャンをつけて食べたら、とても美味しかった。あっという間に購入した一袋を平らげてしまったが、以来、再び寄る機会はなかなかやって来なかった。

一昨日、ようやくチャンスが到来したので、こんどは二袋買い求めた。家にコチュジャンがなかったため、代わりにケンニ(韓国のエゴマの葉の煮つけ)と一緒に食べてみたらこれも結構行けた。

そのまま食べても美味しい。店主の方は海苔の佃煮をつけて食べたりするという。この方は長く米国に居住されていたそうだから「マリポサ」という店名もカリフォルニア州の地名に由来するのかと思ったけれど、確認にするのを忘れてしまった。

まあ、原材料が豚の皮だからトルコで流行らせるのは無理だろう。

しかし、「豚の皮」そのものはトルコでも流通しているらしい。もっとも、それは革靴の裏地に使われる素材で食用というわけじゃない。

サウジアラビア辺りの原理主義的なイスラム教徒なら、豚の皮が肌に触れるのを拒絶するかもしれないが、トルコの人たちはそこまで気にしないのではないかと思う。

なにしろ、コロンヤというアルコールで作られた香水を当たり前に顔へバシャバシャつけるくらいだ。家で来訪者にこれを振る舞ったりもする。

日本でもコロナ騒ぎ以来、「消毒!消毒!」と言って来訪者へアルコールを強要していたりするけれど、せめてコロンヤぐらいにしてくれたら良いかもしれない。

しかし、そういえば、原理主義的なイスラム教徒はあれに拒否反応を示さないのだろうか?