メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

エデンの東

最近、ネットからトルコ語で視聴するのは報道番組ばかりになってしまったが、以前は洋画のトルコ語吹き替え版を良く観ていた。その多くは「ローマの休日」といったクラシックな作品である。

もちろん、これはトルコ語の学習を兼ねている。しかし、トルコ語の吹き替えで観ると、日本語の吹き替えほど違和感がなくて良い。

なんだか、オードリー・ヘプバーングレゴリー・ペックが日本語を話しているのは奇妙に思えてしまうけれど、トルコ語ならそれほど不自然に感じないのである。トルコにもヘプバーンやペックに容貌の似ている人たちがいる所為かもしれない。

昨日は久しぶりに「エデンの東」をトルコ語吹き替えで最後の方の名場面だけ観た。昨年、全編を観ているし、随分前に日本語字幕で観たこともある。だから、多くの場面を覚えている。何度観ても良い映画だと思う。なんと言っても、そのテーマ曲が素晴らしい。

エデンの東」が旧約聖書の「カインとアベル」を題材にしているのは良く知られている。最後に主人公が悔改めるところは、新約の「放蕩息子」がモチーフになっているような気もする。

私はまだ聖書の全てを読み通していないけれど、新約の方は部分的に結構読んでいる。聖書は誰もが読んで感動出来る物語になっているのではないかと思う。

そのため、多くの小説や映画といった芸術作品の題材となっている。音楽でもミサ曲には傑作が少なくない。

信仰がなくても、やはり聖書は読んでみなければならないだろう。

しかし、考えて見ると、私にとってはトルコがまさしく「エデンの園」であったような気もする。

私はエデンを追われて東へ、ノドの地へ身を落としてしまったかのようだ。なんて、これでは祖国日本がノドの地になってしまう。こんな罰当たりなことを考えるくらいだからエデンを追われてしまったのかもしれない・・・。

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