メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

上海協力機構首脳会議の会場で腕を組んで歩いたエルドアン大統領とプーチン大統領

ウズベキスタンサマルカンドで開催された上海協力機構の首脳会議に、NATOの加盟国であるトルコが「対話パートナー」として参加したのは、もっと大きく報じられても良いニュースだったのではないかと思う。

もちろん、トルコでは各ニュース専門局の討論番組で中心的な議題となっているようだ。

「対話パートナー」とはいえ、エルドアン大統領にアカル国防相やフィダン情報局長等々の主要閣僚も帯同する大代表団で乗り込み、エルドアン大統領が「正式加盟を目標とする」などと発言したため、討論番組では加盟の是非を巡って議論が闘わされているらしい。

もっとも、「加盟を申請する」と言ったわけではないので、これは今後の情勢次第ということになりそうである。

エルドアン大統領はサマルカンドプーチン大統領とも会談し、当然、ウクライナ情勢についても話し合ったのではないかと言われている。

会場で両大統領が腕を組んで歩く場面も大きな話題になっているけれど、これはウクライナで苦境に立たされたロシアのプーチン大統領が停戦交渉の仲介をエルドアン大統領に強く望んでいるからだと論じられたりしている。

この場合、トルコがNATOの加盟国であるところが重要だから、トルコのNATO脱退をロシアが望むはずはないだろう。

ウクライナの攻勢がどのくらい続くのか解らないが、米国はかなり高度な武器も供与し始めたという。問題は、ロシアが当初より目標としているクリミヤ半島の周辺にウクライナが攻勢をかけられるかどうかに掛かっているそうだ。

トルコとしては、自国の安全のためにも、停戦交渉の仲介はこれまで通り続けるに違いない。戦争が長引けばウクライナも疲弊する。この戦争に勝者はない、いるとすれば、それは米国じゃないだろうか? 

戦後の復興過程でウクライナは半ば植民地化されてしまうかもしれない。トルコの仲介による停戦交渉が実現されるように祈りたいと思う。

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