メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

共産主義者ドウ・ペリンチェク氏のイスラム?

トルコの上海協力機構への加盟を巡る議論、断固反米の姿勢で知られる祖国党のドウ・ペリンチェク氏は、加盟と共にNATOからの脱退を強く主張している。

祖国党は2015年までの「労働者党」であり、ペリンチェク氏は共産主義による革命を標榜していた。

そのため、かつては親ソビエトだったが、今も親ロシアであり、子息のメフメット・ペリンチェク氏はモスクワ大学で教鞭を取っている。

親ソ~親ロの根底には「断固反米」があるのだろう。「市場経済を制限する」といった主張も全く変わっていない。

変わったのは、イスラムに対する見解であるかもしれない。

以前は、かなり否定的な見解を示していたのではないかと思うが、党名を「祖国党」に変えた辺りから、イスラムを認める方向に転換したようである。

自身の宗教についても、「トルコ国民の大多数がイスラム教徒であるように私もイスラム教徒である」などと言い始めている。

2019年には、「聖ムハンマド武装した預言者による文明の革命」という著作を著しているけれど、これはムハンマドの現実的な戦略家としての側面を強調した内容であるらしい。

実際、ムハンマドは、カルト的な教祖だったのではないかと言われるイエスや厭世的な思想家だったブッダと異なり、当時のアラブ社会の常識人であり、商人としても軍人としても成功し、アラブ社会に秩序をもたらした類まれな統治者と言えるのではないだろうか? 

エルドアン大統領も「手本とする指導者」として他の政治的な指導者らと共にムハンマドの名を上げている。機会があれば、私もペリンチェク氏の著作を読んでみたい気がする。

ペリンチェク氏の祖国党は、現在、議席すら持っていない弱小政党ではあるものの、かねてより軍部に影響力があるとされ、党の主要メンバーにはイスマイル・ハック・ペキン氏のような退役将軍もいる。

今、考えて見ると、以下の駄文でお伝えした出版社を経営する知人の支持政党は、当時の「労働者党」だったのだろう。ちょうどあの頃から、ペリンチェク氏はトルコの民衆の発展とイスラムを認めるようになっていたのかもしれない。

しかし、昨年、ペリンチェク氏はイランで開催された「イスラム覚醒の総会」にビデオメッセージを送って、これが話題になっていたようだけれど、以下のYouTube動画からそれを視聴してみたところ、米軍を追い出したアフガニスタンを称える話が主であり、イスラムについては殆ど何も語っていないので、ちょっと呆れてしまった。

-----------------------------------

*「聖ムハンマド武装した預言者による文明の革命」