メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

2022-01-01から1年間の記事一覧

第一次世界大戦の捕虜が収容されていた姫路の景福寺

8月16日、姫路の方まで出かけて見た。15日に「多民族帝国の崩壊と国民国家の成立は何をもたらしたのか?」という駄文でお伝えした「さまよえるハプスブルク」に、第一次世界大戦中、ハプスブルク帝国の軍人兵士らが捕虜として「姫路の景福寺」に収容さ…

再び鹿児島へ

8月16日は、長期休暇の最終日だったので、姫路まで出かけてみた。 帰宅後、姫路での見聞等をブログでお伝えしようと駄文を記していたら、残り数行というところで、屋久島の姉から電話が掛かって来た。7時過ぎだった。 鹿児島の施設から緊急の連絡があり…

上海の人たちは浮気者?

第一世界大戦以降、多民族帝国は次々と崩壊して行ったが、中国だけはモンゴルの独立を許したぐらいで、ほぼその領域を維持しているのではないかと思う。 これには、やはり共産党による強い統制力が必要だったのかもしれない。 例えば、国民党により西側の枠…

多民族帝国の崩壊と国民国家の成立は何をもたらしたのか?

6月末に姫路のジュンク堂で購入したのは中公新書の「スターリン」だけじゃなかった。 そのもう一冊「さまよえるハプスブルク」もこの長期休暇を利用して読もうと思っていたが、結局、後半の部分はざっと読み流しただけで一応読了ということにした。 カバー…

トルコとシリアの関係修復の可能性?

先週、記者との質疑応答の中でチャヴシュオール外相が、昨年、国際会議に出席した際、シリアの外相と立ち話をしたと明らかにしながら、「シリアの反政府勢力と体制を和解させなければ、恒久的な平和は実現できない」と述べたため、『エルドアンとアサドの会…

スターリンとエルドアン

11日から勤務先は盆休みに入っている。福岡の配送センターも三宮の警備員の職場も年中無休で盆や正月に長期休暇などなかったから何だか奇妙な感じがする。 当初はこの休暇を利用して、東京に行って来る予定だったが、母の容態もあり、いつでも鹿児島へ行け…

様々な陰謀論:コロナ~安倍元首相暗殺事件~ギュレン教団

先日、母が入所している鹿児島の施設を訪れた際、PCR検査を受けたと記したけれど、あれは「抗原検査」と言われるものだったらしい。PCR検査であれば直ぐに結果を得られるはずがないそうである。 この抗原検査の精度はかなり怪しいという。だから、私が…

トルコで宗派間の対立は解消されるのか?

トルコでは、イスラムの異端とされるアレヴィー派の人々が断食を行うムハレム月に入ってから、アレヴィー派の礼拝所であるジェムエヴィが立て続けに襲撃されるという事件があった。 犯人らは直ぐに逮捕されたそうだが、背景等は未だ明らかになっていないらし…

アーシューラー「シーア派の熱狂とキリスト教」

《2020年8月28日付け記事を修正省略して再録》 昨日(2022年8月8日)は、イスラム暦によるムハレム月の10日目「アーシューラー」の日だった。 西暦680年のこの日に、イマーム・フサインが「カルバラーの戦い」で殺害されたため、シーア派…

急遽、鹿児島へ。

昨日の午後、姫路の銭湯で湯から上がって涼んでいたところ、母が入所している鹿児島の施設から連絡があった。脳梗塞と思われる状態で意識がなくなり、一時的に呼吸も停止したという。 そのまま姫路の駅から新幹線に乗っても良かったが、さすがにサンダル履き…

李朝時代の冷麺は贅沢な冬の食べ物?/貧富格差をそれほど気にしていない韓国の人たち

今日もうだるように暑かったので、配送の仕事を終えて帰宅途中、思わずコンビニに寄って「盛岡風冷麺」を買ってきてしまった。 6月に長田まで出かけて「平壌冷麺」を堪能して以来、コンビニの冷麺は、これでもう5回目ぐらいじゃないかと思う。 長田の「平…

コロナの陰謀論/中国は有りもしないコロナ危機を口実に上海を封鎖した?

コロナの発生自体に陰謀があったというのは良くある「陰謀論」に過ぎないと思うが、それを機会にして、米国を中心とする勢力が危機感を必要以上に煽っていたのは確かじゃないだろうか? その勢力は、今年に入ってからも諦めずにフランス等で規制を強化させよ…

ウクライナの穀物を安全に輸出するための協定

先週(7月22日)、イスタンブールで「ウクライナの穀物を安全に輸出するための協定」が調印された。昨日(7月27日)は、この協定の履行を監督するコーディネーションセンターがオープンしたという。 センターはイスタンブールにある国防大学のキャンパ…

トルコ軍のキプロス侵攻(1974年)

《2020年3月8日付け記事を省略修正して再録》 昨日(7月20日)は、1974年にトルコ軍がキプロスへの侵攻を開始した日だったそうである。 「トルコのナショナリズムが最も高揚する日の一つ」と言っても良いのではないかと思う。 以下のYouTubeの…

統一教会の問題/ギュレン教団尊師の死亡説

安倍元首相の暗殺事件は「気が変になった男の犯行」という見方が有力で、今のところ「政治的なテロ」を疑わせる要素は見当たらないそうである。 気が変になった男の筋違いな逆恨みで暗殺されてしまった安倍氏は実に無念だっただろう。 しかし、犯人の逆恨み…

「トルコの最も長い夜(クーデター事件)」

《2016年7月17日付け記事の再々録》 *(2016年7月16日:12時15分)昨晩、クーデターを企てた軍の一派は、アンカラで国会や参謀本部等、政府の主要機関に攻撃を加えたという。その過程で、フルスィ・アカル参謀総長が人質に取られたと言わ…

「人は何のために新聞を買うのか?」

《2013年2月4日付け記事を修正して再録》 *(7月14日は「しんぶん配達の日」だそうです) 最近は、トルコの新聞も殆どインターネットで読むようになってしまったが、昨日(2013年2月3日)、出先で新聞読んで時間を潰そうと思い、街角にある…

「犠牲祭の意義」

《2012年10月27日付け記事の再々録》 2011年の秋、トルコで有数の肉加工品会社を訪れたことがある。 トルコ風の牛肉ソーセージ(?)スジュクや牛肉ハムのパストゥルマが有名な老舗で、オスマン帝国の末期に、中部アナトリアのカイセリの特産品…

生ビールの飲み方:ドイツ・日本・トルコ

「暑い夏の日こそビールだ!」とばかり、昨日は大阪の谷町にあるドイツ・ビールの専門店に出かけて見た。昨年の末頃だったか、この店の存在を知って以来、「ビールの季節」の到来を待ちかねていたのである。 しかし、まずはドイツ直輸入の生ビールで乾杯して…

安倍元首相の最期

安倍元首相が凶弾に倒れた。安倍氏は政治家の家に生まれ、その宿命の下で誠実に生きて来たのではないかと思う。それが斯様に悲惨な最期を迎えてしまうなんて・・・。 「死生命有り、富貴天に在り。君子は敬みて失うこと無なく、人と与るに恭しくして礼有らば…

トルコ人とは、いったい何者なのか?

《2013年3月16日付け記事の再録》 先日(2013年3月)、タハ・アクヨル氏のコラム(2013年3月2日付けのヒュリエト紙)に興味深い話が紹介されていた。1932年、アタテュルクは、アナトリアで6万4千に及ぶ頭蓋骨を計測調査するよう指示…

ロシア軍はオデッサまで進撃するのか?

上記の駄文に、当初、トルコがスゥェーデンとフィンランド両国の「加盟を承認」などと誤って記述し、その後「加盟を支持」と訂正したけれど、そもそもトルコが支持したことによって両国の加盟が承認されるわけではないそうだ。 NATOへの加盟は、全加盟国の支…

NATOはトルコに対する最も大きな脅威? 何故、トルコはNATOに加盟したのか?

スウェーデンとフィンランドのNATO加盟を拒否していたトルコは、両国が「テロ対策」等々に関する要求を受け入れたとして、両国の加盟を支持したという。 これに対するトルコの世論の反応が気になるけれど、今日のトルコ各紙のコラムには、まだこの問題に…

プーチン氏の人物像は?

ウクライナの情勢、トルコではアイドゥンルック紙のような親ロシア派のメディアに限らず「ロシア軍の優勢」を伝える報道は当初より散見されていたけれど、この数日、日本でも「ロシア軍が東部を完全に制圧しつつある」というニュースが見られるようになった…

「ジエリスタンの日本人テロリスト?!」

《2015年12月13日付け記事の再々録》 北イラク料理屋などもあるアクサライ(イスタンブール)の界隈には、ケバブの類をメインにした庶民的な店が軒を並べている。レバー(肝臓)串焼きの「ジエリスタン」はその中でもひと際目立っていた。ジエルがレ…

トルコの人たちも驚いた日本のファミレスの安さと美味さ!

《2021年8月3日付け記事の再録》 16~7年前、東京で開催された物産フェアに参加するトルコ企業の代表者らと共に、当時住んでいたイスタンブールから東京へ行った。 参加者の中には初めて日本を訪れる人もいたが、既に自社製品を日本で展開していて…

ウクライナの戦争はいつまで続くのか?

一昨日、運転免許の更新を済ませた帰りに寄った明石城は、暑さの所為か人影も疎らで長閑な静けさに包まれていた。しばらくの間、明石の街並みやその向こうに見える海をぼんやり眺めていると、なんだかとても平和な気分に満たされた。 もちろん、世界の何処で…

運転免許を更新

昨日、運転免許更新のため明石まで行って来た。現在は、運転手の仕事で生活しているのだから、当然、更新しなければならないが、5年後にはいったいどうなっているだろう? 私は仕事以外に車を運転する気が全くないので、運転手をしなくても済むようになれば…

トルコの魅力とその厳しい現実

《2019年9月4日付け記事の再録》 イスタンブールの正式な名称は、20世紀の初頭に至るまで「コンスタンティニイェ」だった。当時は、市の人口の半数近くをギリシャ正教徒やユダヤ人のような非イスラム教徒が占めていて、コスモポリス的な雰囲気が漂っ…

トルコは東ローマ帝国の末裔?

《2021年3月13日付け記事を省略して再録》 イスタンブールに居た2016年の10月、当時、ISが支配していたイラク北部モースルの奪回作戦に関する討論番組を観ていたところ、ある識者は、「古来より中東を大きく二つの地域に分けるならば、それは…