メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

「トルコの最も長い夜(クーデター事件)」

《2016年7月17日付け記事の再々録》

*(2016年7月16日:12時15分)
昨晩、クーデターを企てた軍の一派は、アンカラで国会や参謀本部等、政府の主要機関に攻撃を加えたという。その過程で、フルスィ・アカル参謀総長が人質に取られたと言われ、一時は安否が取り沙汰された。
前回の記事をアップした直後、「アカル参謀総長、無事に救出」という報道は見られたものの、無事な姿を伝える映像がなく、参謀総長代理としてユミット・デュンダル陸軍大将が任命されたため、アカル参謀総長の重傷説も飛び交っていた。
そして、ようやく11時頃、ニュースの画面に、ヘリコプターでアンカラの首相府に到着したアカル参謀総長の無事な姿が映し出された。これに続いて、ユミット・デュンダル参謀総長代理の記者会見があり、参謀総長代理はクーデターの企てを完全に制圧したと明らかにしている。
どうやら、クーデター事件は、1日も経たないうちに幕を下ろしたようだ。
しかし、なんと長い半日だったのだろう。もっとも、私にとっては、熟睡してあっと言う間に過ぎ去った、いつも通りの一晩である。
“黄粱一炊の夢”なんて言葉を間違ったところに使ってしまったけれど、そのちょうど逆だったと思えば良いかもしれない。私がうなされることもなく眠りこけている間に、夢ではない長い現実が経過していた。

2016年7月16日-イスタンブール・タクシム広場

2016年7月16日-イスタンブール・タクシム広場

2016年7月16日-イスタンブール・タクシム広場