メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

2013-01-01から1年間の記事一覧

トルコの豊かな食文化

トルコの植物性油は、ヒマワリ油が安くて最も多く出回っているようだ。8月頃に、トラキア地方をバスで旅すると、一面黄色くなったヒマワリ畑が果てしなく広がっている光景に目を奪われる。 でも、トルコでサラダにかけるのは、何と言ってもオリーブ油だろう…

食べ物を粗末にしたら罰があたる

近所のゴミ置き場の前の木に、よくパンが入ったビニール袋がぶら下がっている。何かの呪いじゃなくて、これで「パンを捨てなかった」つもりになるらしい。 トルコにも、一応は「食べ物を粗末にしたら罰があたる」という概念があって、パンが地面に落ちている…

水は健康の源

カドゥキョイのバスターミナルで、ペットボトルの水を売って歩く人たちがいる。いったい1日にどのくらい売れるのだろうか?ターミナル周辺の商店まで行けば、25クルシュ(約12円)で売っている50cc入りペットボトルを75クルシュで売るわけだから…

ミッドナイト・エクスプレス

広島・長崎への原爆投下に関する発言で、オリバー・ストーンが話題になっていた。オリバー・ストーンと言えば、私は直ぐにあの“トルコに対する悪意に満ちた映画ミッドナイト・エクスプレス”を思い出してしまう。ストーンが脚本を書いたそうだ。その為、この…

エキストラのエトセトラ

昨日、またエキストラに駆り出された。イスタンブールにオリンピックを誘致するためのキャンペーン・フィルムだったらしいが、何処でどういう風に使われるのか全く解っていない。しかし、長々と何か記されている書面にサインさせられた。おそらく、「映像が…

ビュユック島-ココレチ

ココレチは、羊腸を金串に巻いて焼いたもので、これをさらに細かく切って、トマトや唐辛子と一緒に炒めたりするけれど、そのまま輪切りにして食べても美味い。イスタンブール市内にも、ココレチのある店は多いが、店頭でココレチを焼いて輪切りにしてくれる…

ビュユック島のポアチャ

2006年の夏は、何度となくビュユック島のマリアさん別宅を訪れ、その度に私がムール貝を採って来て、それをから揚げやら炊き込みご飯にしてもらって夕飯を食べた。いつもその日は別宅に泊まり、翌日、少しおそい朝食を食べてからイスタンブールに戻った…

羚羊の味?

昨日、日本へ帰る母をアタテュルク空港で見送った。不慣れな年寄りの旅客を飛行機の座席まで、トルコ航空の職員が案内してくれるというサービスを申し込んで置いたら、3人の職員が現れたので驚いた。当初、『言葉の通じないトルコ人の方にお願いして大丈夫…

私たちの台所

昨日の昼は、エミノニュの“ビズィム・ムトゥファク・ロカンタス”というレストランで食べた。この店は、典型的な“エスナフ・ロカンタス(商工人の食堂?)”で、煮込み料理のような家庭の味をメインにしている。店の名前も“ビズィム・ムトゥファク(私たちの台…

破廉恥な漢字

昨日は、朝から映画のエキストラに駆り出された。7月20日、母を空港へ出迎えに行く前、市内でオーディションみたいなものを受けさせられたが、以来、何の音沙汰もなかったから、お流れになったと思っていたところ、前日になって急に連絡が来た。撮影がい…

ヒディヴ邸(ヒディヴ・カスル)

2004年の8月、アフメット・アルタン氏のコラムを読んで以来、とても気になっていた“ヒディヴ邸(ヒディヴ・カスル)”を、今日、初めて訪れることが出来た。記事を読んでから、既に9年が過ぎている。母がイスタンブールまで来てくれなかったら、訪れな…

ラマダンはレジャーではない・・・

昨日は、トルコ旅行中の母とスルタンアフメットのマルマラゲストハウスに泊まった。経営しているファイクさんの家族とは、1993年以来の付き合いである。夜、家族と断食明けの食事を共にした後、スルタンアフメットの広場に出かけた。広場の一角には、ラ…

モン流美人!

金曜日のコマーシャル撮影、同じエージェントから駆り出された“外国人エキストラ”は、日本人1人(私)、モンゴル人2人(男女)、そしてナイジェリア人が2人。他のエージェントからも、ウクライナ人とかタタール系トルコ人(東洋人風)とか色々来ていた。…

リデル・ピデ

“ピデ”は、厚さが2~3cmの丸いパンで、ピタパンと語源は同じじゃないかと言われている。特に、ラマダンの断食明けの食卓では、通常出回っているバゲット型のパンの代わりに、この“ピデ”が主役となり、日没が近づくと、パン屋さんの前に、ピデを求める人…

酒類販売の店

イエニドアンの家の近くで、酒類を売っている店は、まずあのジャー・ケバブ屋さんの二軒隣にあって、ここなら歩いて3分ぐらい。後は、先日、ラマダンになってから昼飯を食べた店のもっと先に一つある。こちらは歩いて7分ぐらい掛かると思う。もちろん、い…

スルタンベイリ~サルガーズィ(ラマダンの昼飯事情)

イスタンブールの東端に位置するスルタンベイリは、非常にイスラムが濃い地域として知られている。5年前の夏、世俗主義者の友人たちが、「スルタンベイリではイスラム化が進み、女性がスカーフを被らずに、ノースリーブ等の肌の露出が多い服装で街を出歩く…

イエニドアン-ラマダンの昼飯事情

うちの近所で外食するのは、月に2回ぐらい、ジャー・ケバブ屋さんに行くだけだけれど、ここはラマダンに入ってから閉まっている。それで今日は、果たしてこの辺に昼飯を出している店があるかどうか、少し歩いて見ることにした。ジャー・ケバブ屋さんの向か…

韓国とトルコ-国家の正統性

ボズジャ島で、キムさんと長話した。20年来の友人だけれど、かつて、あれほど様々な話を聞いたことはなかったように思う。もっと韓国語が解っていた時に聞いておけば良かった。 話は、韓国の政治や歴史に至るまで多岐に亘ったが、北朝鮮との関係について、…

ラマダンのギュルラチ

昨日、久しぶりに、タクシム広場からイスティックラル通りを歩いてみた。 途中、“サライ・ムハレビジスィ”という軽食店のショーウインドーを覗いたら、ラマダン月になると売り出される甘い菓子“ギュルラチ”が並んでいたので、思わず中に入って味わって来た。…

トルコ軍のクーデター

トルコの国営放送“TRT”に、「祖国を望む」という番組があった。各分野の著名な識者をスタジオに招いて、祖国トルコへの思いを語ってもらう趣向になっていた。 私は、2年ほど前、イズミルのホテルの一室で、初めてこの番組を観た。夜、出先でかなり飲んで…

アッラー(神)は形而上の概念

昨日のナスレッディン・ホジャ云々、アラビアン・ナイトを生んだ社会やオマル・ハイヤームを生んだ社会の現況を考えたら、何の意味もないかもしれない。 しかし、かの国々も、西欧からその価値観まで押し付けられたと感じてしまった為に、自分たちの宗教的な…

ナスレッディン・ホジャ

記憶に誤りがなければ、“週刊朝日百科”の“世界の地理”だったと思う。ネットで調べたら、83年~86年にかけて刊行されていたとある。毎週、各国別に、歴史や文化、国情を紹介していて、巻末に“民衆のヒーロー”というようなコーナーがあった。 パキスタン編…

“穏健な保守主義者”のケバブ屋さん

うちの近所に、昨年の6月、開店したジャー・ケバブ屋さん。50代後半と思しきお父さんと息子さん、そして、親族の人たちが入り代わり立ち代り応援に駆けつけて、店を切り盛りしていたが、彼らよりお客さんの方が少ない時も多かったりして、『いつまで持ち…

穏健な保守主義者

フェトフッラー師の教団には、毀誉褒貶さまざまな評価があるけれど、“師に対する崇拝”という要素が見られるから、多少“カルト”的に思われても仕方がないのではないか。しかし、トルコのイスラムにモダンで柔軟な解釈をもたらしたと高く評価する識者も多い。…

イスラム勢力が再び結束?

昨日、ジェマート(教団)の友人と久しぶりに会って話した。5~6年ぶりだったのではないかと思う。ジェマート(教団)とは、フェトフッラー・ギュレン師のジェマート(教団)。かつて、彼らはジェマート(教団)と呼ばれるのを嫌がっていたけれど、最近は…

Poletto/東大門

5月の初旬に、イスティックラル通りを歩いていて、主にレディースの靴を製造している“Poletto”社のショップを発見した。店の人に訊いたら、数ヶ月前に開店したらしい。“Poletto”ブランドの靴は、日本でも扱っている店があるし、欧米では、ハイクォリティー…

ソウルの教保文庫に岩波文庫

イリアスの韓国語訳は、4月にソウルの“キョボムンゴ(教保文庫)”という書店で購入してきた。私がソウルに滞在していた87~88年頃は、教保文庫がソウルで最も大きい書店だった。今はどうなっているだろう?教保文庫では、オデュッセイアも買おうと思っ…

イリアスの韓国語訳

6月1日は、タクシム広場近くの韓国料理店“タクシム”で、韓国製(?)催涙ガスの匂いを嗅ぎながら、中国式の“マンドゥ(餃子)”を御馳走になったが、その前に、タクシムにあるもう一つの韓国料理店“カヤ”にも寄ってきた。“タクシム”は、93年頃にイズミル…

我々日本人にとって飲酒とは?

4年前、アルトヴィン県で知り合ったメフメットさんの家族は、夕食に夫婦揃って子供たちの前で酒を飲んでいた。それどころか、共産主義者を自称する高校生の娘もビールを口にしていた。この為、私は、メフメットさん夫婦にも、ある程度、左派的な傾向がある…

アサドの問題はその母堂

AKPは、既に8ヶ月後の選挙に向けて準備を始めたようだが、第一野党のCHPは何をしているのだろう? CHPは、今回の騒動が始まる遥か前、AKP市政が再開発計画を発表した時点で、ショッピングモールなどにより不利益を被る周囲の自営業者らに呼びか…