メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

ヒディヴ邸(ヒディヴ・カスル)

2004年の8月、アフメット・アルタン氏のコラムを読んで以来、とても気になっていた“ヒディヴ邸(ヒディヴ・カスル)”を、今日、初めて訪れることが出来た。記事を読んでから、既に9年が過ぎている。母がイスタンブールまで来てくれなかったら、訪れないままになっていただろう。

今日の昼、ヒディヴ邸には、アフメット・アルタン氏の描写と異なり、“この庭園で聴くことが似つかわしくない音楽”も鳴り響いていなければ、“濃厚な焼肉の匂い”も漂っていなかった。静寂な緑の中に、優雅な姿を見せていて、とても趣があった。

しかし、レストランの人たちが、野外にかなりの席を準備していたから、断食明けには、音楽が鳴り響き、焼肉の匂いが漂うのかもしれない。それも悪くないと思うが・・・。

私たちは、カンルジャで名物のヨーグルトを食べてから登って来たので、ここではチャイを飲んだだけだが、隣のテーブルに、鶏を焼いた料理が運ばれて来て、なかなか美味しそうな香りが漂っていた。

帰りは、カンルジャと逆の方向へ降りようと思ったけれど、途中、道を間違えて、行き止まりの坂を下りてしまった。警備員さんに、「もう一度、坂を登って戻るよりないです」と言われ、「私は構わないが、母が大変だ」と泣きついたら、通りかかった施設作業員の車を呼び止め、「Uターンして、この人たちを出口まで送り届けるように」と頼んでくれた。

他にも、行き止まりを知らずに降りて来てしまった人たちがいたけれど、若いカップルばかりだったから、車に乗った私たちを許してくれただろう。トルコの人たちは優しい。

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