メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

イスラム勢力が再び結束?

昨日、ジェマート(教団)の友人と久しぶりに会って話した。5~6年ぶりだったのではないかと思う。ジェマート(教団)とは、フェトフッラー・ギュレン師のジェマート(教団)。かつて、彼らはジェマート(教団)と呼ばれるのを嫌がっていたけれど、最近は、自ら「私たちのジェマート(教団)・・・」と言ったりもする。

今回の騒動やAKP政権との関係についても訊いてみた。AKP政権とは齟齬が取り沙汰されていたが、実際、騒動が勃発する前までは、「来年の地方選挙に教団は協力しない」という意志を固めていて、決裂寸前だったらしい。

ところが、今回の騒動で、国内の左派・政教分離主義者ばかりか、海外のメディアもAKP政権のイスラム的な傾向に懸念を示して、非難の声が高まって来たため、自分たちも標的にされていると感じた教団の人々は、再びエルドアン首相のAKPと力を合わせて行くことにしたそうだ。

結局、あの騒動は、イスラム勢力を結束させる結果になってしまったかもしれない。友人は、「来年の地方選挙で、AKPの得票率は上がるだろう」と話していた。

騒動が続く中、フェトフッラー師が騒動の当事者双方を批判したと思われる談話が、左派の各紙によって、「フェトフッラー師がエルドアン首相を批判」という脈絡で報道されたことも、教団の人たちを不愉快にしたようである。

私もあの報道には、一瞬、『アメリカと良好な関係にある教団が、エルドアン首相を追い落とそうとしているのでは?』と疑念を懐いたので、率直に訊いてみたら、友人は「そんなことは絶対にない」と少し興奮しながら否定していた。不愉快な話を蒸し返して申しわけない。

しかし、今のトルコは、少し勢いがつき過ぎて、何だか日露戦争の後の日本に似ているような気もする。欧米との関係が悪くなったら困るだろう。

アメリカと良好”であるかどうかは解らないが、教団は“国際トルコ語オリンピック”などの文化活動を通して、世界に様々な絆を持っているから、これからも国際協調の面で一定の役割を果たして行くのではないかと思う。

 

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