メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

リデル・ピデ

“ピデ”は、厚さが2~3cmの丸いパンで、ピタパンと語源は同じじゃないかと言われている。
特に、ラマダンの断食明けの食卓では、通常出回っているバゲット型のパンの代わりに、この“ピデ”が主役となり、日没が近づくと、パン屋さんの前に、ピデを求める人たちの行列が出来ていたりする。
ピデを舟形に作って、挽肉やチーズを載せて焼いたものは、よく“トルコ風ピザ”と紹介されているけれど、ピザとピデ、起源はどちらなのかはっきりしないらしい。これは専門店もあちこちにあって、普通、“ピデ”と言えば、こちらの“トルコ風ピザ”を指す。何処の店のピデも大きくてボリュームがあるから、一人で食べたら満腹になってしまう。
テペユストという街には、何故か、ピデの専門店が多く、中でも“リデル・ピデ”という店が有名で、いつか行ってみたいと思っていた。
テペユストは、カドゥキョイからイエニドアンに帰る途中にあり、よくバスで通過するけれど、なかなか途中下車する機会がない。
しかし、昨日は、午後からコマーシャル撮影のエキストラに駆り出され、一昨日、待ち合わせ場所にテペユストを指定してきたので、「よし、明日の昼は“リデル・ピデ”にしよう」と決め、その日は夕食を食べず、寝る前にビールとつまみを少し、当日も朝食抜きでピデに備えた。
昼の時間に合わせて家を出て“リデル・ピデ”に着くと、さすがの有名店も、ラマダン中とあって、お客は少なく、昼の12時に広い店内は閑散としていたが、出て来たピデは具がたっぷりでボリューム満点、万全の備えにも拘わらず、完食したらお腹が一杯でふうふう言ってしまった。美味しいけれど、そう頻繁には食べられそうもない。

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