メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

イスラム

オスマン帝国の西欧化 ~ 英国のボリス・ジョンソン首相

ジャズやロックのレーベルとして知られているアトランティック・レコーズの創業者アーメット・アーティガン氏は、オスマン帝国の有数なイスラム教指導者の家系であり、やはりアトランティック・レコーズのプロデューサーだったアリフ・マーディン氏に至って…

何故、人は宗教を必要とするのか?

何故、人が宗教を必要とするのかについて論じた書物を読んだ中で、今までもっとも納得させられたのは、この「漱石の『行人』」に出て来る『山を呼び寄せるモハメッドの話』」だった。 モハメッドは人々に「山を呼び寄せて見せる」と約束し、それを実行に移そ…

イスラムの社会性?/ギュレン教団の宣教活動

2017年の2月頃だったと思う。トルコの時事討論番組でイスラム神学者と思われる出演者が、「ISやギュレン教団が、何故、あれほど歪な信仰に囚われているのか? それは彼らに“祖国”という概念がないからだ」と語っていた。 左派らしい出演者は、呆れか…

何故、宗教を信じるのだろう?

パキスタンの物理学者パルヴェーズ・フッドボーイ氏は、2001年に著した「ムスリムと西洋 - 9 月 11 日の後」という論説の中で、「イスラム教は- キリスト教、ユダヤ教、ヒンドゥー教、あるいは他のすべての宗教と同様- 平和についての宗教ではない。 …

イスラムの問題/優越と劣等の葛藤

2015年の12月に“Haberturk”で放送された番組でメルヴェ・カヴァックチュ氏(女性)は、アメリカのイスラムフォビアを変動局面的な問題であるとして、かなり楽観的に見ていたものの、ヨーロッパのイスラムフォビアは、過去の植民地史の清算といった側面…

民族と国家:イスラム史の視角から

1991年に初めてトルコへ渡航する前、東京都内でトルコ語の講座に通ったことはあるものの、それ以外にトルコの歴史や宗教について特に学んだりしたわけではない。 そういった分野の知識は、その殆どが渡航後にトルコ語の新聞等を読みながら得た雑学で成り…

ユダヤとイスラム

ユダヤ人とイスラム教徒は、豚肉の禁忌など共通しているところが多い所為か、西欧の各都市では隣接する地区に住んでいる場合が少なくないそうだ。 血を禁忌とするのも共通しており、そのため、屠殺の際に頸動脈を切って充分な血抜きを行う。イスラム教徒はユ…

神戸モスク / 東京ジャーミー(モスク)

三ノ宮の「神戸モスク」には、私の他にも多くの見学者が訪れていた。イスラムに関心のある人が多少は増えているようだ。 東京の「東京ジャーミー(モスク)」は、トルコ共和国の宗務庁が管理しているので、イスラムばかりでなくトルコ文化の広報にも努めてい…

北イラク・クルド自治区と北シリア

昨日、ワシントンで開かれた反IS連合の外相会議に出席したチャヴシュオール外相は、トルコによるIS掃討戦の過程を説明すると共に、シリアのクルド武装勢力YPG/PKKがテロ組織であることを改めて強調したという。 10日ほど前には、北イラク・クル…

エルドアン大統領とトランプ大統領の会談/ トルコ語のラテン文字化

エルドアン大統領とトランプ大統領の会談は、特に成果もなかったけれど、とにかく米国との関係が維持されたことでトルコ側は満足しているようだ。 サバー紙のメフメット・バルラス氏は、トランプ政権も、来年の選挙を乗り切るまでは、思い切った手が打てない…

アタテュルクの命日

昨日、11月10日は、アタテュルクの命日だった。トルコの各紙のサイトは、アンカラのアタテュルク廟にエルドアン大統領ら政府高官が集まった記念式典の模様をトップページの筆頭で伝えていた。 しかし、非常にイスラム的なアキット紙のサイトを見ると、相…

トルコの新聞記事/ムスリムによる政教分離の可能性

旧ホームページの「メルハバ通信」には、トルコの新聞記事を訳して掲載する欄を設けていた。 2011年の12月まで、252回に亘って続けていたけれど、私のPC上に保存してあったのは、2005年4月の137回までで、残りは手違いから削除されてしま…

イスラムはどういう宗教なのか?

日本でイスラムの社会について解説された記事を読んでみると、イスラムの教義から説き起こしている例が少なくない。 しかし、トルコでは、敬虔な信者であっても、教義を事細かに知っている人はそれほどいないだろう。 その多くは、礼拝のやり方や飲食などの…

偽りても賢を学ばんを賢といふべし

私の偏見かもしれないが、既存の権威に対する抵抗として生まれたキリスト教と違って、イスラム教は、元々為政者の側に立っているように見える。そのためか、権威に対する反抗は悉く戒められているという。異教徒が支配する社会で、イスラムの信仰を実践する…

トルコのNATO離脱?

スポーツの世界では、ボクシングのようにお互いの身体を痛めつけ合う競技であっても、試合が終われば健闘を称え合って抱擁を交わしたりする。 そういった経験のない私には解り難いけれど、人は死闘を繰り広げることで友情に近い気持ちを懐けるようになるのだ…

イスラムの犠牲祭

昨日からイスラムの犠牲祭が始まっている。イスラムの暦は、太陽暦のグレゴリオ暦とは毎年11日ずつずれて行くので、クリスマス期と重なることもあれば、今年のように真夏に始まることもある。 トルコにいた頃と異なり、昨年も一昨年も犠牲祭は、意識する間…

トルコの人々を悩ませてきたのは・・・・

「メルハバ通信」の記事を書き始めた18年前、トルコでは政教分離の世俗主義とイスラム主義の対立が問題になっていた。日本でも、トルコのイスラム主義勢力が台頭して、イランのような「イスラム革命」が起きるのではないかと論じられたりしていた。 私は、…

「ワインを飲むイスラム」と「イスラムのモディ首相」?

配送センターで働くムスリム・インド人就学生のサイードさんが、トルコ企業の社員となっている弟さんに電話して、イスタンブールの市長選挙などについて訊いたそうだ。 ギュレン教団系の学校でトルコ語を学んだという弟さんは、兄と同じく信仰に篤いムスリム…

「労働者みたいでみっともない!」

配送センターでは、ネパール人やベトナム人の就学生らが働いているけれど、管理者の方たちの話を聞くと、どうやらベトナム人就学生の評価が高いようである。 もちろん、ネパール人就学生の中にも一生懸命働く人はいるし、少々怠慢なベトナム人就学生もいる。…

戦争と宗教(トルコの軍~インドの軍)

2001年の5月、イスタンブールにあるロシア正教会の教会を訪れ、ロシア人司祭の話を伺ったところ、この司祭さんはロシアの歴史上の人物としてスターリンを高く評価し、フルシチョフに対しては批判的だったので驚いた。 スターリンは「大祖国戦争」が始ま…

ネパールの牛は神様ですが・・・

パキスタン本国で金曜日が公休日になるよう望んでいた就学生たちも、日本語学校には金曜日も休むことなく通っていた。 おそらく、日本での就職に成功すれば、金曜日も当たり前に出勤して、特に不満も述べないのではないかと思う。彼らにとって宗教は非常に大…

金曜日が公休日?

卒業のシーズンを迎え、配送センターで働く就学生らの間でも、日本語学校を卒業して他県の専門学校に入学するため、福岡を去らなければならなくなった例が多く見られる。 私の良き話し相手になってくれたパキスタンの友人たちも皆、群馬県へ引っ越すことにな…

イスラム・スンニー派の盟主?

2015年の5月に放送された“Genc Ilahiyat”という番組で、当時の宗務庁長官メフメット・ギョルメズ氏は、母校であるアンカラ大学神学部を訪れて講演し、学生の質問に答えて次のように語っていた。「・・・しかし今日の生活に関わる問いの答えを求めて、常…

進化論の論争

日本のメディアでも、トルコの高校教育カリキュラムから「進化論」が外されたことが報じられていた。屋久島に引き籠ったまま、トルコの現地の様子を見聞できないのは残念だが、ネットの記事等を見る限り、非常に脱イスラム的な政教分離主義者らを除いて、以…

弱肉強食の世界と国家の利益

トルコの情勢について、また愚にもつかない論評めいたものを書いてしまったけれど、既にトルコを離れて、ネットから得られる情報だけが頼りであり、生活に密着した“地べた目線”によるレポートなどは、もう書きようもないのである。国際政治も経済も何一つ解…

イスラムの土葬

昨年の10月だったか、「韓国で、火葬の割合が80%に達した」というニュースを読んだ。29年前、私が韓国に滞在していた頃は、土葬が殆どであり、火葬には強い抵抗を示す人たちが多かったので、何とも言えず時代の移り変わりを感じてしまった。それから…

トルコのイスラム主義

トルコの主要なニュース専門局は、“YouTube”で「ライブ配信」を行っている。現地時間の夜9~11時頃には、なかなか興味深い時事討論番組などがあったりして、イスタンブールにいた頃は、毎日のように何れかのニュース専門局を視聴していた。 しかし、屋久…

アルジャジーラが取材した「イラン革命」

先日、“YouTube”の“おすすめ”に出ていた以下の動画を観た。İran: Bir Devrimin Anatomisi - Al Jazeera Türk Belgesel 3年ほど前に、アルジャジーラ・トルコが放送したと思われるドキュメンタリー番組で、1979年の「イラン革命」とその背景に迫っている…

トルコのイスラム

先日、上記の駄文に、清貧に徹した故ビュレント・エジェビット元首相の暮らしぶりは、一方で、「模範的なイスラム宗教者の生活と言えたかもしれない」なんて書いてしまったが、これはちょっと言い過ぎだったと思う。強固な政教分離主義者として知られた故エ…

少々の不具合には文句を言わなかったトルコの人たち

いつだったか、友人の親戚がイスタンブール市内に家を新築したので、お祝いに行ったところ、日本人の感覚からすれば“豪邸”と言っても差し支えない立派な造りなのに、風呂場のタイルが少し剥がれていて配管がむき出しになっていたのである。日本へ留学したこ…