メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

文武両道の武士

16年ほど前、愛知県の東海市と姉妹都市になったブルサ県のニルフェル市(区)で、双方の中学生のハンドボールチームによる親善試合が行われた。 大人でも全般的にトルコ人の方が大柄であるように思えるが、中学生では第二次性徴の早いトルコ人が日本の少年…

困難な状況の中で建国を達成したトルコ共和国/果たして日本は? そして韓国は?

「一水会」が発行している月刊誌「レコンキスタ」の11月号に、トルコ共和国の建国100周年を記念して一水会フォーラムで講演したイナン・オネルさんの講演録が掲載されている。 トルコへの祖国愛に満ちたイナンさんの講演について、私如きが申し上げるこ…

瀬戸内地方は雨が少なくて有難い

昨日は深夜になってから、加古川市~高砂市の辺りでも相当な雨量があったらしい。 今朝の加古川は滔々と流れ、兵庫県の最大河川と言われても納得が行くように思われた。 いつもは川底に敷き詰められたブロックが水面の上に現れたりして、今にも干上がりそう…

今の私には「移動の自由」もないのか?

1991年にソビエトが崩壊すると、西側陣営はこれを「自由主義の勝利」と喧伝した。私はその勝利を歓呼して迎えたわけじゃなかったが、漠然と「これから世界はもっと良くなるだろう」と思っていた。 あれから既に32年が過ぎている。果たして世界はもっと…

トルコを語り始めたら止まらなくなる

昨日は、友人と三宮で三軒はしごしてトルコを語り合ってきた。友人とは1991年にイズミルで知り合って以来の長い付き合いである。当時、エーゲ大学のトルコ語教室で学んでいた日本人は友人と私の2人だけだった。 イズミルの思い出から現在のトルコ情勢に…

ドイツの黒パン「プンパーニッケル」

先々週、姫路駅ビル内にある「ドンク」で、「ドイツパンフェア」が催されていた。そこで、ずっしりと重みのあるライ麦パンを1袋買ってきて食べてみたが、特有の酸味があってなかなか美味かった。 ライ麦パンを食べたのは実に久しぶりだったと思う。ひょっと…

プーチン大統領によるイスラムの挨拶

トルコのメディアが「プーチン大統領によるイスラムの挨拶」を報じている。 ロシア国内のイスラム教徒との対話集会に出席したプーチン大統領は、ロシアのイスラム教指導者がイスラム式にアラビア語で「アッサラームアライクム」と挨拶してからロシア語で質問…

ネパールのお祭り「ダサイン」

先週、ネパールでは「ダサイン」というヒンズー教の大きなお祭りが催されている。 昨日の日曜日、姫路に出かけたら、ネパールの民族衣装を纏い、ネパールの国旗と日章旗を掲げて歩く一行と遭遇した。 「ダサインですか? 写真撮っても良いですか?」と声をか…

トルコ共和国万歳!

今日、10月29日はトルコの「共和国記念日」であり、トルコ共和国は建国100周年を迎える。 時差のため、現時点で様々な式典の模様は未だYouTubeに配信されていない、この駄文を書き終えてから、ビールでも飲みながら観ることにしよう。 私は一年の区切…

トルコで知り合ったパレスチナの人たち

1991年、私はトルコのイズミルでトルコ語を学んでいた。そのトルコ語教室があったエーゲ大学には、パレスチナから来た多くの留学生が在籍していた。パレスチナでは大学へ行くことが難しかったからに違いない。 それから20年ほど過ぎた2010年頃、イ…

報道されないギュレン教団の実態

トルコでは、フェトフッラー・ギュレン師の教団が、2016年7月15日のクーデター事件を始めとする様々なテロを企図した「テロ組織」であると見做されている。 しかし、日本の全国紙にギュレン教団を「テロ組織」と見做すような記事が出ることはなかった…

ユダヤ人の強い意志は何に由来するのだろう?

おそらく30年以上前、友人から伝え聞いた話。日本に滞在しているイスラエルの若い女性が本を読みながら涙を流していたので、友人が何を読んでいるのか訊くと、それは「旧約聖書」だったそうである。 何の信仰も持たない私は、「宗教的な熱情によって突き動…

「栄光への脱出」

www.youtube.com 1960年の米国映画「栄光への脱出」。未だに本編を観ていないが、テーマ曲は20代の頃に聴いて以来、とても好きな映画音楽の一つになっている。 映画はイスラエルの建国に纏わる物語で、キプロス島に勾留されていたユダヤ人らがパレスチ…

テヘランは不夜城? イスタンブールは?

一昨日、テヘランの街の様子を映し出したYouTubeの動画をご紹介したが、同じチャンネルによる以下の動画には、夜も更けたテヘランの繁華街が映し出されている。 イスタンブールでも街区によってスカーフの着用率には変化が見られるけれど、テヘランも同様な…

イランの世俗化?

日本のメディアでもガザの問題は大きく取りあげられている。 しかし、相互に異なる主張もあったりして、実際に何が起こっているのか良く解らない。双方に民間人を含む相当数の死者が出ているのは間違いないらしい。 欲望を制御できない人の世の悲惨さは昔か…

アルメニア~パレスチナ、戦争と人々の平和な交流

イスラエルとパレスチナの悲惨な「戦争」の状況が報じられている。 このところ、トルコとその周辺(コーカサス・中東)からは、こういった不穏なニュースばかり伝えられていて気が滅入ってしまう。いったい何が起こっているのだろう? 当事国のそれぞれに異…

暑い夏の楽しみ?

9月も末になって、朝夕は大分涼しくなっていたけれど、日中は最後まで暑かった。こんなに暑い9月はなかなかなかったような気もする。 昔、「セプテンバーレイン♪ 9月の雨は冷たくて♪」という歌があったけれど、今では「9月の雨は蒸し暑く♪」じゃないかと…

名月と月餅

今日は中秋節、天気も良く「中秋の名月」を仕事帰りに眺めることができた。 一昨年は買い損ねてしまった卵入りの月餅を、今年は2週間ほど前に買い求めてあったので、これも名月を思い浮かべながら味わうことができた。ハスの実の餡で独特な風味だった。 生…

ギリシャ語の歌で思い出すクズルック村の日々

www.youtube.com このギリシャの歌を聴いたのは23年前、2000年頃ではなかったかと思う。イスタンブールはイスティックラル通りのCD店に流れていた。 店の人に「なんていう歌?」と訊いたところ、CDのジャケットを示しながら、「このCDに入ってい…

バクラヴァで感動! トルコを満喫!

昨日、梅田の阪急百貨店で開催されている「トルコフェア」を見に行った。といっても、装飾品等には殆ど興味がないので、お目当ては、ほぼ「バクラヴァ」に限られていた。 東京の松屋銀座に出店しているバクラヴァの名店「ナーディル・ギュル」による実演販売…

トルコのインフレで大変な目に遭うところだった・・・

現在、トルコは利上げ後も収まらない激しいインフレで取り沙汰されているけれど、私が初めてトルコで暮らした1991年~94年、そして、アダパザル県クズルック村にある邦人企業の工場で働いていた1999年~2002年も、70%前後の激しいインフレ…

イスラムの葬儀は望まない!

トルコで非常にイスラム的な新聞として知られているイエニ・アキット紙に、今日(9月18日)、以下のような記事が出ていた。 「イスラムの価値に敵対しながら一生を終えた人たちも、モスクでイマームの祈祷により弔われることが論議を呼んでいるトルコで、…

北朝鮮の新たな役割り?

金正恩総書記とプーチン大統領の会談に関しては、様々に異なる視点から論じられているのではないかと思う。 トルコの政治学者ハサン・バスリ・ヤルチュン氏は、9月14日付けサバー紙に掲載された「北朝鮮の新たな役割り」という表題のコラム記事で、北朝鮮…

「911」以降の世界

「911」から22年が過ぎた。当時、私はアダパザル県クズルック村にある邦人企業の工場でトルコ語通訳として働いていた。41歳だった。 事件と翌日の報道を見た時の驚きは、以下の駄文にも記している。 今、振り返ってみると、あの頃から米国の様子がど…

クルド人難民支援活動で誰が救われたのか?

「クルド人難民」を支援する人たちの動機が何であるのか良く解らないけれど、15年以上続いた長い支援活動の過程で、いったい誰が救われたのだろう? 難民申請を繰り返しながら、長期にわたって日本に滞在し、解体業等でそれなりの収入を得た人たちはいるか…

BRICS は「車が馬の前を走っている馬車」?

BRICSへサウジアラビアなど新たに6か国が加盟したのは、トルコでも大きな話題となっている。 トルコは長い間、EUへの加盟交渉で門前に立たされたまま、疎外感を味わって来たため、BRICSの拡大に期待する向きもあるようだが、8月29日付けサバー紙のコラム…

トルコにおけるクルド人とイスラムの問題

《2023年6月18日付けの記事を省略修正して再録》 トルコの米国に従わない姿勢が顕著になった2013年以降、トルコに対するネガティブな報道は執拗に続けられてきたのではないかと思う。 いつだったか(3~5年前?)、池上彰氏が司会を務める番組…

プリゴジン氏死亡事件の背景

トルコの報道番組(時事討論番組)はとても長い、その多くが2~3時間に至る枠でやっている。 トルコに居た頃は、重要な事件があったりすると、そういう番組をYouTubeで最初から最後まで観ていたりしたけれど、今はとてもそんな時間がない。10~20分に…

プリゴジン氏の搭乗機が墜落。これは陰謀なのか?

反乱事件の後、その動向が注目されていたプリゴジン氏のプライベートジェットが墜落し、プリゴジン氏を含む搭乗者全員が死亡したという。 反乱事件の直後、収束までの経過を伝えるトルコの報道番組で、元軍人の評論家が「プリゴジン氏は近いうちに交通事故で…

コロナに関するプロパガンダ~ウクライナ戦争

トルコのサバー紙のコラムニスト、メリッヒ・アルトゥノク氏は、「コロナ騒ぎ」の期間中、ワクチンを拒否していたために狂人扱いされていたそうだ。 8月6日付けのコラムでは、当時、アルトゥノク氏の主張に奇異の眼差しを向けていた周囲の様子とその後の変…