トルコのメディアが「プーチン大統領によるイスラムの挨拶」を報じている。
ロシア国内のイスラム教徒との対話集会に出席したプーチン大統領は、ロシアのイスラム教指導者がイスラム式にアラビア語で「アッサラームアライクム」と挨拶してからロシア語で質問しようとしたところ、すかさず「アライクムサーラム」と挨拶を返して満場の拍手を浴びた。
アラビア語の発音をカタカナで表記しようとすれば、「アッサラームアライクム」になるそうだが、トルコでは「Selam Aleyküm(セーラムアレイキュム)」と挨拶して、
「 Aleyküm Selam (アレイキュムセーラム)」と返している。
*「kü」は「kyu」と異なり、厳密には「ク」と表記すべきかもしれないが、私たちの耳には「キュ」と聴こえるのではないだろうか?
上記の動画を見ると、イスラム教指導者もプーチン大統領も「セーラム」と言っているようで、ロシアでもトルコ式の発音に近いのかもしれない。
トルコのメディアが、これを取りあげたのは、プーチン大統領がイスラムの挨拶の返し方を知っていたことに注目したからだろう。
しかし、以下の駄文でもお伝えしたように、2015年の9月、モスクワで大規模なモスクが完成すると、プーチン大統領はエルドアン大統領と共に式典に参席して、「イスラムはロシアの分け隔てることが出来ない一部である」と語っていたそうだ。もとより、イスラムに対しては友好的に接していたらしい。
それから、ロシアのイスラム教指導者が顎鬚など蓄えていない小ざっぱりとした身なりであることにも注目して良いのではないかと思う。会場の他のイスラム教徒らも同様である。
これはトルコでも変わらないが、イスラム近代化の流れは19世紀にオスマン帝国に先んじてロシアで始まり、お互いに影響を受け合ったという。
また、イスラムと正教会の間に対立といった問題がないように見えるところも、トルコとロシアに共通しているかもしれない。
ロシアのイスラムに関しては、以前、山内昌之氏の「スルタンガリエフの夢」という著作を読もうとしてそのままになっていた。「以前」と申し上げたが、既に30年近く前のことである。
今からでも遅くないから読んでみたいと思うが、何をするにしても時間が足りない。つくづく「少年老いやすく・・・未だ覚めず池塘春草の夢」だなあと溜息が出てしまう。