一昨日は、ラマダン明けの祝祭に合わせて、大阪西淀川区にあるモスク(大阪マスジド)へ出かけてみた。
その辺りは、パキスタンから来た人たちが多数居住しているため「大阪のパキスタン」と呼ばれているらしい。
昼の1時頃に着いたら未だ礼拝中だったので、周囲を20分ぐらい歩いて戻って来ると、礼拝を済ませた人たちがモスクの前に集まって談笑していた。その多くはパキスタン人のようだ。
「セーラムアレイキュム」とトルコ風に訛ったイスラムの言葉で挨拶したところ、皆にこやかに「アライクムサラーム」と挨拶を返してくれた。
それから礼拝堂の中を見せてもらったけれど、案内してくれたのは日本人ムスリムの方だった。その方の説明によると「アッサラーム・アライクム」は「貴方たちの上にアッラーが・・」という意味になるから、イスラム教徒ではない私が使うのは適切と言えないそうである。
トルコでも「ムスリム同士の挨拶に使う言葉だから・・・」という話は聞いたことがあった。
とはいえ、6年近く暮らしたイエニドアンの街では、私がイスラム教徒じゃないことは皆知っているのに「セーラムアレイキュム! マコト!」と向こうから先に挨拶されたりしていた。
また、「セーラムアレイキュム」の意味は、「貴方たちに平和がありますように」であると教わってきた。パキスタンでは解釈が異なるのだろうか?
モスクの前のパキスタン料理屋さんで会ったパキスタンの人たちにも「セーラムアレイキュム」と挨拶したら、やはり皆にこやかに受け入れてくれたけれど・・・。
しかし、現在の中東は、「貴方たちに平和がありますように」という挨拶が虚しくなるような状況らしい。報道によれば、イスラエルはパレスチナの一般市民に対しても激しい攻撃を加えているという。
1991年、トルコ語教室のあったエーゲ大学には、パレスチナ人の留学生が多かった。パレスチナでは大学へ行くことが難しかったからに違いない。彼らは今どうしているだろう?
2010年頃、イスタンブール市内にある中堅財閥系の工場を訪れたところ、工場長はトルコ国籍のパレスチナ人だった。多分、トルコへ留学して大学を卒業、その企業に就職したのではないかと思う。
当時、40歳ぐらいに見えたから、1991年にはトルコの何処かの大学で学んでいたかもしれない。
パレスチナ人で母語のアラビア語はもちろん英語も話せたので、エジプトとバングラデシュの工場に出向していたこともあったという。
彼はエジプトとバングラデシュの印象について、「バングラデシュの人たちの“のんびり”には人の良さが感じられるし、仕事はちゃんとやってくれる。でも、エジプト人の“のんびり”は怠けているだけだ」なんて話していた。
パレスチナで生まれ育ったアラブ人の彼にとって、エジプトの人たちは“同胞”と言っても良かったはずだが、既に「トルコ人」になりきっているような雰囲気だった。