メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

ドイツの黒パン「プンパーニッケル」

先々週、姫路駅ビル内にある「ドンク」で、「ドイツパンフェア」が催されていた。そこで、ずっしりと重みのあるライ麦パンを1袋買ってきて食べてみたが、特有の酸味があってなかなか美味かった。

ライ麦パンを食べたのは実に久しぶりだったと思う。ひょっとすると、2017年に帰国して以来、初めてだったかもしれない。

イスタンブールにいた頃は良く食べていた。ミグロスやカリフールといった大きなスーパーには、ドイツ直輸入の各種ライ麦パンも揃っていて、中でも「プンパーニッケル」という黒パンが、とても独特な味わいで美味しかった。

そんなことを思い出していたら、その「プンパーニッケル」が無性に食べたくなった。それで「文化の日」に神戸まで出たので、「成城石井」を覗いてみたけれど、残念ながら「プンパーニッケル」も他のライ麦パンも売られていなかった。日本で黒パンは余り流行らないのだろうか?

イスタンブールには在住ドイツ人も多く、トルコ人の中にも長年ドイツで暮らして黒パンに馴染んだ人たちがいたりして、黒パンの需要は結構少なくなかったのかもしれない。

プンパーニッケルを初めて食べたのは、おそらく1991年、イズミルトルコ語を学び始めた頃だった。教室でドイツ人の受講生が黒パンを話題にして、「イズミルの何処で黒パンを買うことができるか?」という話になった。

それが何処だったのか思い出せないが、私もそこまで出かけて黒パンを買い求めてきたのである。その黒パンは「プンパーニッケル」だったのではないかと思う。

イスタンブールで、2010年にイエニドアンに越してからは、シシリーやカドゥキョイのミグロスで「プンパーニッケル」を買って、かなり頻繁に食べていた。

「パン」と言っても全く膨らんでおらず、食感も風味も独特なので、初めて食べた時は驚いてしまうが、慣れて来ると病み付きになってしまうのである。

そのため、昨日は諦めきれずに姫路のカルディで「プンパーニッケル」を探してみた。カルディで正解だった。ドイツ直輸入の「プンパーニッケル」があった。やはり、少し変わったものは「カルディ」なのかもしれない。

オーストリア産のフランクフルトソーセージもあったので、昨日の夕食は、ビールとソーセージ、そして「プンパーニッケル」という正しくドイツの夕食になった。

ドイツの「食」は余り評判が良くないけれど、ビールとソーセージばかりじゃなくて、各種のパンも美味しい。特に「プンパーニッケル」は、その独特な風味が他の追随を許さない。

といっても、私はドイツに行ったことがないので、昨日、「プンパーニッケル」を食べながら思い出していたのは、イスタンブールで暮らした日々だった。実に懐かしい感じがした。イズミルトルコ語教室でドイツの人たちが黒パンを話題にしたのも解るような気がする。