近所のバス停前で、犬がのんびり昼寝していた。トルコの街角では、よく見られる光景だ。
ここは人通りも少ないが、かなり人が通る所でも、平気で寝ている。気をつけて歩かないと、踏んづけてしまいそうになる。
ところで、「韓国人は、犬を食うから、犬を見ると可愛いじゃなくて、美味そうと感じる」なんて言う人たちがいるけれど、そんなことある訳がない。
私たちは、牧場で牛や羊が寝転んでいるのを見て、「美味そう」と感じるだろうか？
もっとも、韓国にも犬食を嫌がる人は多い。さらに、嫌というほどではなくても、食べたことはないという人が、これまた随分いるから、韓国でも、犬を食べるのは、ごく少数派かもしれない。
しかし、「食べたことがない」という韓国の友人たちと犬鍋を囲むと、３人とも「こんな美味いのに、今まで食べなかったなんて・・・」と絶句して、犬食派に転向してしまった。
韓国へ旅立つ前、イスタンブールで韓国の人たちと飲んで話していたら、「韓国へ行って食べたいもの」を訊かれたので、「犬鍋」と答えたところ、皆、「そうだよねえ、犬は美味いからねえ」とクスクス笑いながら、イズミルから来ていた崔さんの顔を覗き込んでいる。
崔さんは、憮然とした表情で、「野蛮人どもめ、犬を食べるなんて・・」と繰り返していた。
崔さんとは、９３年ぐらいからの付き合いだが、彼が犬食嫌いだったとは、それまで全く気がつかなかった。宗教が嫌いなのは知っていたけれど・・・。
