メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

ギュレン教団

政権と教団の暗闘

3月の地方選挙は、「AKP政権とフェトフッラー・ギュレン教団の対決」などとも言われていた。エルドアン首相らは、ギュレン師の信奉者たちが検察や公安組織の上層部に広がり、もう一つの政府を構成しようとしていると指摘して、彼らを徹底的に排除しなけ…

フラント・ディンクはここで殺された

一昨日、“ディヴァン・パスターネスィ”を後にして、シシリーへ向かう途中、オスマンベイの辺りで、歩道の一角に、アルメニア文字が並んでいるのを見つけた。『何だろう?』と思って良く見たら、そこには、以下のようなトルコ語の一節も併記されていた。「フ…

復活祭ミサ

今日はイースター、キリスト教の復活祭である。カトリックと正教会では、復活祭の日付が異なっていたりするけれど、今年はいずれも4月20日となっていた。私も、ベイオールのチチェック・パサージュの裏にあるアルメニア教会で、復活祭ミサを観て来た。こ…

AKP政権とフェトフッラー・ギュレン教団の対立

昨日(1月31日)のラディカル紙のコラムで、オラル・チャルシュラル氏は、BBCのインタビューに答えたフェトフッラー・ギュレン師の発言の中から、“クルド問題”に関する部分を取り上げ、解説していた。“クルド和平のプロセス”で、クルド武装組織PKK…

トルコのイスラム(政教分離とイスラム)

AKP政権とフェトフッラー・ギュレン教団の争いを“イスラム主義者同士の内輪もめ”みたいに見る向きもあるけれど、今日(11日)のラディカル紙のコラムでオラル・チャルシュラル氏は、左派やリベラル派もこの争いによって二分されたと指摘している。敵の…

AKP対教団?

トルコ民族主義には、二通りあると言われ、ひとつはかなりイスラム色の濃い民族主義。これを主張する人たちは“栄光のオスマン帝国”への郷愁を強く懐いていて、MHP(民族主義行動党)の支持者が多いものの、当初よりAKPを支持して来た人も少なくない。 …

トルコの権力闘争

エルドアン首相を始めとする政府要人らが日本を訪れている。これで他に大きなニュースがなかったら、日本がもっと話題に上るところだが、昨年の12月17日に始まった“疑獄事件”騒動は未だ治まる様子もなく、ニュースの主役に居座り続けている。まったく残念で…

ザマン紙とフェトフッラー・ギュレン教団

昨日、ザマン紙のコラムで、エティエン・マフチュプヤン氏が“疑獄事件”について、とても興味深い記事を書いていた。 「今後、政府が不正取調べの結果に対して必要な処置を取ると宣言し、且つ組織改変の理由を明らかにして、これが暫定的なものであると国民を…

迷走する“疑獄事件”

今年はトルコにとって不幸な出来事が余りにも多かった。まるで、発展を続けるトルコの足が、方々から引っ張られているように感じた。昨日の報道によると、ロシアがシリアで油田開発の事業に着手するそうだ。これは、アサド政権の存続を、既に国際世論が認め…

疑獄事件

先日、田中角栄氏とエルドアン首相は、何だか良く似ているなんて書いたけれど、AKPを巡る疑獄事件の発生で、ますます似て来てしまった。しかし、角さんの辞任後に勃発したロッキード事件と違って、エルドアン首相は未だ在任中であり、捜査の対象になった…

“穏健な保守主義者”のケバブ屋さん

うちの近所に、昨年の6月、開店したジャー・ケバブ屋さん。50代後半と思しきお父さんと息子さん、そして、親族の人たちが入り代わり立ち代り応援に駆けつけて、店を切り盛りしていたが、彼らよりお客さんの方が少ない時も多かったりして、『いつまで持ち…

穏健な保守主義者

フェトフッラー師の教団には、毀誉褒貶さまざまな評価があるけれど、“師に対する崇拝”という要素が見られるから、多少“カルト”的に思われても仕方がないのではないか。しかし、トルコのイスラムにモダンで柔軟な解釈をもたらしたと高く評価する識者も多い。…

イスラム勢力が再び結束?

昨日、ジェマート(教団)の友人と久しぶりに会って話した。5~6年ぶりだったのではないかと思う。ジェマート(教団)とは、フェトフッラー・ギュレン師のジェマート(教団)。かつて、彼らはジェマート(教団)と呼ばれるのを嫌がっていたけれど、最近は…

フェトフッラー・ギュレン師の論述

一昨日のジュムヒュリエト紙に掲載されたフェトフッラー師の論述、元はフェトフッラー師のウエブサイトに掲載された記事らしい。 昨日は、ジュムヒュリエト紙の“独裁政権を作るな”という見出しと最後の部分だけ読んで、そうなのかと思ってしまったけれど、改…

騒動の行方

フェトフッラー教団は、“クルド和平交渉”などで、AKP政権(特にエルドアン首相)との齟齬が取り沙汰されていたけれど、今回の騒動でも政権の対応を厳しく非難したりして、いよいよ対立が鮮明になって来たような気がして興味深い。 一説によれば、この対立…

アライルとメクテップリ

トルコ語に、“アライル”“メクテップリ”という言い方があって、私はこれを一昨年、宗教科の教師を務めていた友人から教わった。“アライル”とは、正規な学校教育を受けずに、実社会の中でいろいろ学んで来た人で、これに対して“メクテップリ”は、大学等で学問…

イマーム・ハティップレル(イスラム教導師養成学校)

2週間ほど前、ウムラニエの広場前を通ったところ、「スカーフに関する規制を撤廃させよう!」と署名を呼びかけている人たちがいた。ウムラニエは、かなり保守的な街だから、立ち止まって署名に応じる人も少なくなかったが、やはり署名している女性は、スカ…

宗教論議

トルコの人たちと親しく付き合って行く過程でどうにも避けられないのが宗教論議。しかし、相手がかなり熱心なムスリムであっても、教養のあるムスリムならば、そんなに恐れる必要はない。こちらの話もちゃんと聞いてくれる。イズミルのエーゲ大学で、パレス…