9月にサマルカンドで開催された上海協力機構の首脳会議に参席したプーチン大統領の奇行がトルコで話題になっていた。
奇行の場面は、上記のYouTubeの動画から見ることができる。プーチン大統領は会見するエルドアン大統領を待っている際に、この奇行を見せたという。
当初、それが何を意味するのか解らず、色々な説が飛び交っていたけれど、事実は直ぐ明らかになった。
何のことはない、プーチン大統領は、トルコのイブラヒム・カルン大統領補佐官がロシア側の要人らとハグを交わした様子を真似して見せただけらしい。
真似しながら笑っているところを見ると、プーチン大統領はハグに喜んでいたようにも思える。
『コロナが終わり、以前と同じになって良かったじゃないか』という感じかもしれない。
上記の駄文でお伝えしたように、2020年5月18日、トルコのサバー紙で、ハサン・バスリ・ヤルチュン氏は次のように書いていた。
「これは歴史上初めての疫病禍ではない。最も大きいものでもなければ最後でもないだろう。歴史上、もっと大きな人的被害をもたらし、経済的、政治的に、より重大な打撃を与えた疫病禍が起きている。その後はどうなったのか? 人々は立ち止った所からまた歩み始めた。今回もそうなるだろう・・・・」。
まさしくその通りになったのではないかと思う。
トルコでは、コロナが既に過去のものとなり、大半の人たちがマスクを外したばかりか、ハグも復活したようである。
私は日本人同士のハグに何となく抵抗があるけれど、やはりトルコの日常にはハグが必要だろう。その様子にトルコの人々の温かさを感じることもあった。
一方、日本でも、先日のサッカー逆転勝利劇では、渋谷の大画面で観戦していた若者たちの多くがマスクを外して歓喜の声を上げていたそうである。
私は東京オリンピックでそんな光景が見られるのではないかと期待して裏切られたように思っていたけれど、ようやく日本も平常化に向けて歩み出したのではないだろうか?
とはいえ、先週の日曜日に飲み歩いた三宮の混雑した繁華街では、まだ多くの人たちがマスクをしたままだった。いち早く、トルコのように平常が戻ることを祈りたい。
ところで、日本以上に過激なコロナ対策を続けている中国はいったいどうなってしまったのだろう。
トルコには、欧米の経済に打撃を与えるため、有りもしないコロナの危機を口実に上海を封鎖したと論じる人もいた。
他にも、統制を強化するためにコロナを利用しているといった様々な陰謀説が取り沙汰されている。
確かに、ディズニーランドの封鎖などを見ると、コロナとは関係のない何か裏があるように思われてならない。
しかし、以下のYouTube動画で、上海のハロウィンの模様を見たら、別の観点で少々驚かされた。
雑踏の中をノーマスクで歩いている人たちも少なからず見受けられるのである。飲食の屋台でマスクをしないまま調理している人もいる。
あれだけ国家が統制を強めているのに、未だ言うことを聞かない人たちがいるのは、なかなか中国らしいと思った。
「上に政策あれば下に対策あり」じゃないけれど、統制下にあっても自由に考えて行動する人たちが結構いるのだろう。あの社会で共産主義を実現するのは、やはり非常に難しいかもしれない。
これに比べて、私たち日本人の従順さはいったい何なのだ?
かつて、「世界で最も共産主義に適しているのは日本」なんて言われたこともあるけれど、日本の自由とは何なのか考えたくなってしまう。