100年にも満たない「伝統」とはいえ、トルコの朝食にチャイは欠かせない。それから、チーズとオリーブ、これが無ければ朝食とは言えないような気がする。
しかし、これもエーゲ海地方など限られた地域の伝統に過ぎず、かつて内陸部では豆のスープが朝食の主なメニューになっていて、チーズとオリーブは、これまたわりと新しい「伝統」らしい。
チーズはギリシャで「フェタ」と称されている白チーズである場合が多い。エーゲ海地方やトラキア地方は、トルコ側もギリシャ側も食文化に大きな違いはなさそうである。
私もトルコにいた時分は、朝食をペイニル(白チーズ)とオリーブで済ませるのが当たり前のようになっていた。
ところが、日本ではそのいずれも手に入れるのが難しい。輸入食品を扱っている大きなスーパーのチーズ・コーナーでも、あるのはフランスやイタリアのチーズばかりで、白チーズはなかなか見つからなかった。
そのため、先日、神戸駅構内のスーパーで、ギリシャのフェタが目に留まると、800円という高額だったにも拘わらず、思わず手が伸びていた。
それを先ほど、朝食兼昼食で食べてみた。(最近、朝は食べないことにしている)
結果は、高額な価格から期待値が高くなっていたので、非常にがっかりだった。
これは、イスタンブールのスーパーなら、かなり安い方のペイニル(白チーズ)じゃないかと思う。値段が高くなると脂肪分が増して、しっとりとした味わいになる。
トルコの美味いペイニルが一層恋しくなってしまった。