メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

紅茶の美味しい喫茶店♪

今日は夜勤明けに大蔵谷へ寄って、紅茶の専門店で香り高いダージリンティーを楽しんできた。

トルコでは紅茶が「チャイ」と呼ばれ、トルコの人たちは毎日のように何杯もそのチャイを飲む。まるでチャイがなければ一日は始まらない。チャイを飲まずに一日が終わることもない。チャイは生活の一部になっているかのようだ。

「チャイは我が国の伝統である」と彼らは言う。しかし、チャイの飲用が広く普及し始めたのは共和国革命以降で、その歴史は100年にも満たないらしい。

オスマン帝国の時代、人々は嗜好品としてコーヒーを愛飲していたそうだ。そもそも、コーヒーを嗜むカフェの文化は、まずオスマン帝国に生まれて西欧へ伝わった・・・。

つまり、コーヒーこそがオスマン帝国以来の伝統であり、チャイは新参の嗜好品だったようである。

あるトルコの知識人は、チャイの伝統について、「新しい文化が『伝統』になるためには50年もあれば充分なのだ」と皮肉っていた。

トルコでチャイは、濃く煮出してから適度に薄めて飲まれている。そのためか、紅茶らしい香りが余りしない。私は日本に帰って来てティーパックの紅茶を飲み、その香りに『日本の紅茶は美味い!』と感動したくらいである。

しかし、トルコでも美味しい紅茶が飲めないわけじゃない。ドイツに旅行したトルコの友人が「ターキッシュ・ティー」なるものを土産に買ってきたので、それを友人の家族と共に味わったところ、皆、口々に「このチャイ、なんでこんなに美味しいの?」と唸ってしまった。

「ターキッシュ・ティー」のパッケージには、それがトルコからの輸入品であると記されていたけれど、茶葉もトルコで市販されているチャイのように細かいものではなく、大きく立派だった。

友人は残念そうに、「俺たちは今までクズ茶を飲まされていたんだな。茶葉の良い部分は全て西欧に輸出されていたということか・・・」と言って苦笑いした。

しかし、今日のダージリンティーは、そういった今までの「美味しい紅茶」を遥かに凌ぐ一品だろう。

店主の方の説明によれば、日本の軟水は紅茶に適していて、何処よりも美味しく淹れることが可能になるらしい。それをさらに、長年研究を重ねてきた淹れ方で提供する。なんとも素晴らしいお茶の時間だった。

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