メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

ギュレン教団の秘密主義?

ギュレン教団に関しては、離脱した元幹部クラスの告発・懺悔というのもメディアを賑わせている。しかし、なんとなく胡散臭い気がする。離脱に至った経緯も、余り明らかになっていない場合が多い。

他にも、色んな所から色んな話が出て来ている。事実らしいネタも少なくないけれど、いずれにせよ多少眉唾で聞いた方が良いのではないかと思う。

例えば、テレビの時事番組で、ある識者が周囲の知人から聞いたという話を伝えている。知人の子供が公開模擬テストで優秀な成績を上げたら、直ぐにギュレン教団のメンバーが訪ねて来て、「私たちが援助するから、お子さんを私立の良い学校へ行かせませんか?」と勧誘したそうだ。

その人は、「うちが経済的に厳しかったならば、思わず誘いに乗ってしまっただろう」と安堵した様子で語っていたという。これは、結構信憑性が高い話であるかもしれない。

こういった教団の手口であるとか、秘密主義に纏わる報道を聞いていると、私にも『あれはひょっとしたら・・・』と思い当たることが出てきたりする。

2006~7年、何度か訪れた中央アナトリアの観光地の旅行代理店の経営者は、極めて紳士的な感じの良い人物だった。

もともと日本のテレビ番組のトルコロケに協力してもらったのがきっかけで知り合ったけれど、よく考えて見たら、あれはロケの許可を観光省から得る際に、紹介を受けていたのではなかったかと思う。当時は、あらゆる政府機関に、ギュレン教団の影響力が及んでいたらしい。

35歳ぐらいの経営者の方は、とても綺麗な英語を話し、西欧的な雰囲気を漂わせていたばかりか、仕事も実に正確で信頼を感じさせた。それで、その地域に出張することがあれば、仕事がなくても挨拶に伺ったりしていた。

代理店のオフィスには、如何にも田舎風な朴訥とした青年もいて、いったい何をしている人なのかと思ったら、経営者の方の弟であるという。

一度、この青年と雑談していて、選挙が話題になったので、支持政党を訊いてみたところ、「うちは皆AKPです」ときっぱりした答えを返され、ちょっと意外な気がした。少なくとも、非常に西欧風な経営者の兄は、CHPの支持者じゃないかと予想していたからだ。

その後、また彼らのもとを訪れた時、私は近くの醸造所で買い求めて来たワイン入りの手提げ袋を持っていた。すると経営者の兄が「貴方、ワイン好きですか?」と訊き、弟に奥から別のワインを持って来させたのである。

「お客さんからの頂きものをお渡しするのも何ですが・・・」と差し出されたワインを見れば、私が買い求めたものとは比較にならない高級品だった。

さすがに喜んで受け取るわけにも行かず、「もったいない、貴方がお飲みになれば良いじゃないですか」と断ったら、彼は微妙な笑みとジェスチャーで、『ワインとは縁がない』という意思を伝えようとする。これに私は驚かされた。

信仰に篤いトルコ人の多くは、こういう場面で、『私は信仰上アルコールを受け付けません』とか『私たちの宗教でアルコールは禁じられています』というように、はっきり理由を述べて断るだろう。そもそも、同様にお客さんからもワインを受け取ろうとしなかったはずである。

イスタンブールに戻った後で、こんなことをぐずぐず思い返している内に不愉快な気がして、結局、彼らと会ったのは、あれが最後になってしまった。弟はともかく、経営者の兄は、おそらくギュレン教団のメンバーだったのではないか。

イスタンブールギュレン教団の友人とは、2013年まで連絡を取り合っていたのだから、もしも、彼がそれを打ち明けていれば、私は喜んで付き合いを続けていたと思う。私に隠そうとしたところが不愉快に感じられたのだ。

最近得た余計な情報によって考えると、子供の頃から優秀だった兄は、選抜されて最上の教育を与えられたものの、弟は朴訥とした農村の青年のままだったのかもしれない。

なんの確証もないのに、こういう想像を廻らすのは良くないけれど・・・。

 

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