メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

ギュレン教団の怪

現在、英国でアクン・イペッキというトルコ人実業家が拘束されており、トルコ政府はこの人物のトルコへの送還を要求している。アクン・イペッキはギュレン教団のスポンサーであり、教団の活動に関わってきたからであるという。
当初、イペッキは英国において業務上横領の疑いにより、ロンドンの自宅で軟禁状態に置かれていたものの、トルコ政府が送還を求めたことにより拘束され、審理が進められていた。
この審理は9月中に終了して、送還の是非も決定されるはずだったが、どういうわけか送還の是非については11月28日まで持ち越されてしまったそうである。
トルコでは、英国がイペッキの送還に踏み切れば、ギュレン教団に強い打撃を与えられるという期待が大きかっただけに、ちょっと落胆した雰囲気もあるのではないかと思う。
ギュレン教団関係者の摘発は、トルコ国内でも難航しているようだけれど、教団が海外に創設した学校等の拠点には、殆ど手が打てない状態らしい。なにしろ、トルコの最友好国と目されているアゼルバイジャンキルギスタンの学校も、トルコ政府の再三の要求にも拘わらず未だ閉鎖されていないのである。
これは、ギュレン教団の闇の部分に迫った一冊を執筆したジャーナリストのネディム・シェネル氏によれば、各国のギュレン教団系の学校が、米国CIAの出先機関になっているからだという。シェネル氏は、「ギュレン教団との戦いは、すなわちCIAとの戦いである」とまで言い切っている。
もちろん、真偽のほどは未だ解らないが、かつてロシアにも進出しようとしたギュレン教団系の学校は、プーチン大統領が「あれはCIAのエージェントだ」と断じたことにより、進出を阻まれてしまったという話も伝えられていた。
しかし、トルコ政府としては、“CIAとの戦い”にはしたくないだろうから、教団の危険性を米国側に何度でも説明して、教団から手を引いてもらうように説得するより他になさそうである。ギュレン教団は、なんといってもイスラムの教団なのだから、説得する余地はあるような気もするのだが・・・。

2016年8月27日(土)

2016年12月11日(日)

2017年7月15日(土)

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