メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

在日クルド人

つい3週間ほど前は、トルコでも「山口組分裂・抗争」のニュースが大きく報道されていたため、在トルコ日本人の中には、とても恥ずかしがっていた人たちがいたらしい。
そういう日本人を、「ヤクザは恐ろしいですねえ?」と面白半分の好奇心で質問攻めにしていたトルコの人もいただろう。
それが今度は、「在外投票の喧嘩騒ぎ」で、トルコの人たちが恥ずかしがる番になってしまった。
私も昨日は、ネットのニュースから“喧嘩騒ぎ”の映像を好奇の目で追いながら、『おいおい、この騒いでいる連中は殆どオーバーステイじゃないのか?』などとつまらないことを気にしていた。
しかし、日本へ出稼ぎに来て、長い間暮らしているトルコの人たちは、日本人女性と婚姻している場合が多く、オーバーステイというわけでもないそうだ。誤解を招くような記事を書いて申し訳ない。
ところで、今日、在日本トルコ人について、ちょっと調べていたら、「在日クルド人」というカテゴリーが出て来たので驚いた。
政治難民申請しながら、在留特別許可を得て滞在を続けているクルド系のトルコ国民が相当数いるらしい。
昨日の事件には、こういったクルド系の人たちも、かなり加わっていたのではないだろうか。
だとすれば、難民申請して、明らかに反トルコ的な活動を続けている彼らに対しても、トルコ国民として選挙権を行使できるよう取り計らったトルコ大使館は、やはり一本筋が通った国の機関だと思う。
現在のトルコでは、テロ行為に加担したりしなければ、クルド系だろうと何だろうと公安から拘束されてしまうようなことはない。政治的な迫害などもない。90年代までのトルコとは大きく変わってしまった。
政府の大臣が、「私はクルド人である」と言い、クルド語のインタビューにクルド語で答えるようになったのだ。
そういう話は、今まで何度も取り上げて書いてきたから、またここで繰り返すつもりはないが、クルド人政治難民を熱心に支援している人たちには、何をどう説明しても無理なのだろう。
「弾圧される少数民族」という言葉には、ある種の信仰に近いイデオロギーを生み出す力があるのかもしれない。
もともとは、彼らの大嫌いなアメリカが、都合良く使おうとした「民族自決」などという怪しげな主張から出て来た言葉であるように思えるのだが・・・。

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