一昨日の月曜日、家賃を振り込みにウムラニエまで出た帰り、いつも前を素通りするばかりだった魚料理屋に入ってアジのフライを食べてきた。
ここは魚屋さんが隣でやっている店で、魚以外のメニューは全くないようだ。『さては・・』と思って、飲み物が並んでいる冷蔵庫を覗いたら、やはりアイランが見当たらない。
アイランは、ヨーグルトを薄めた飲料で、トルコには「魚とヨーグルトは食い合わせが悪い」という言い伝えがある。
店の人に「アイランないの?」と訊いたら、「うちは魚屋ですから・・・」ときっぱり。当たり前なことを訊くなという顔つきだった。
数年前、魚も肉もあるレストランで、イワシのフライとアイランを注文したら、若い店員に「魚料理にアイランは出せません」などと御託を並べられ、「君が食べるんじゃないだろう」「貴方の健康のためです」と押し問答の末、やっと持ってきてもらったこともある。
日本の“鰻と梅干”みたいなもので、何が根拠になっているのかさっぱり解らない。
しかし、例外もある。昨年の夏、イズミルのフォチャで、魚のフライにヨーグルトのソースを掛けた名物料理を食べた。フォチャでは、昔からこうやって食べているらしい。
もちろん、腹を壊した人などいないそうだ。食い合わせの件について尋ねたら、「新鮮な魚なら問題ありません」と胸を張っていたけれど、クサヤとヨーグルトを一緒に食べても問題はないような気がする。
一昨日は、ウムラニエの店の人にも、フォチャで食べた名物料理を説明した。すると、彼は困った顔しながら、何か言い返さなければと思ったのか、「まあ、魚が新鮮ならば問題ないかもしれません」なんて随分迂闊なことを言う。
「それじゃあ、ここは新鮮じゃない魚を売っているの?」と突っ込んでやったら、ますます返答に窮して、ただ「アハハハハ」と笑っていた。