メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

人は何のために新聞を買うのか?

最近は、トルコの新聞も殆どインターネットで読むようになってしまったが、昨日、出先で新聞読んで時間を潰そうと思い、街角にあるキヨスクのような店に立ち寄った。
買おうとしたヒュリエト紙が見当たらないので、店の人に訊こうとしたら、隣でやはり新聞を探していた若夫婦の奥さんが、機先を制して「ヒュリエト紙はないんですか?」と訊いた。
店の人が「その下にあるはずです」と他紙の束を指差したので、奥さんがその他紙の束を除けてみると、果たして下からヒュリエト紙が2部だけ出てきた。
当然、残った1部は私が買えるだろうと思って、手を伸ばそうとしたら、その奥さんは2部とも取り上げてしまった。
「すみません。2部お持ちになってますよ」と声を掛けたところ、彼女はケラケラ笑いながら、「私たちクーポン集めているんですよ」と言ってから、はっと気がついたように、「すみません、貴方は読むために新聞買おうとしているんですか?」と問い返した。
「もちろんです」と答えながら、彼女の問いの可笑しさに思わず笑ってしまったら、その若夫婦も店の人も一緒に笑っていた。でも、新聞は普通読むために買うんじゃないだろうか?
結局、残りの1部を私が買って、クーポンは若夫婦へあげることになり、店の人がハサミできれいにクーポンを切り取ってくれた。
しかし、これは日本でもそれほど事情が変わらないような気がする。
先月、「イスタンブールのルムは戻って来るのか?」でお伝えしたシンポジウムの帰り、シャーヒンさんの車で市内まで送ってもらう道中、シャーヒンさんが「日本の新聞の発行部数には、驚くべきものがある」なんて仰ったので、何だか恥ずかしくなり、「でも、殆ど読まないまま包装紙に使っている人もかなりいます」と答えてから、“インテリが書いてヤクザが売る”日本の新聞について説明した。新規契約すると洗剤がもらえるとか・・・。

シャーヒンさんは、日本の新聞の配達制度を御存じなかったようだ。私の説明を聞いて、車中の人たちは「それならクーポンで釣っているトルコと変わらないじゃないか」と大笑いだった。

*写真は今日のヒュリエト紙。何故か、お色気満載の付録が必ずついてくる。

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