1週間ほど前、「公安調査庁がトルコのPKKをテロ組織とする認定を取りやめた」というニュースが報じられていたけれど、公安調査庁の説明によれば、各国のテロ組織の動向を伝える公安調査庁のホームページからPKKの項目が無くなっただけであり、これはテロ組織の認定に関わるものではないという。
どうやら、トルコの一部のメディアが過剰に反応したため、話題になっていたらしい。その後、ニューデリーで岸田首相とエルドアン大統領が会談した際にも、この問題は取り上げられなかったようである。
SNSには、「トルコが反日になるのではないか?」と心配する声も飛び交っていたが、過剰に反応したのは一部のメディアだけで、他のメディアでは、それほど大きな騒ぎになっている様子も見られない。現地の雰囲気はどうなっているのだろう?
そもそも、トルコのメディアが、様々な日本の動向に注目する度合いは、年々減って来ているような気がする。近年、東洋で注目されて大きな話題になっているのは何と言っても中国じゃないかと思う。
もっとも、これはトルコに限らず、世界的な傾向であると言えそうだ。日本は主体性の無い「アメリカの属国」であり、注目に値しないということだろうか?
日本が世界中で持て囃されたのは、1980年代のバブル期から2000年代の初め頃までだったかもしれない。
私が初めてトルコに滞在した1991年~1994年は、今思えば本当に良い時期だった。日本の素晴らしいイメージはピークに達していて、恥ずかしげもなく得意な気分になっていたりした。
1999年~2003年にかけて、邦人企業のトルコの生産拠点で働いていた頃も、日本の各企業はトルコで非常に有難がられる存在だった。現地採用に過ぎない私でさえ少し丁重過ぎる扱いを受けていた。
今はどうだろうか? 悲しいことに、日本のイメージはあの時期が正しく「ピーク」で、その後は下降線を辿る一方のようである。
私たちの世代は、とても良い時期に巡り合っていた。なんだか申し訳がないような気もする。