メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

イスタンブール・イスティックラル通りのテロ事件

11月13日に発生したイスタンブールのテロ事件、実行犯とされるシリア人女性が拘束されたものの、背景等については未だ不明な点も少なくないようだ。

レイマン・ソイル内務相によると、2016年以来、イスタンブールで爆弾テロ事件は起きていなかったが、諜報機関や警察により未然に防がれた企ては200に及ぶという。

2016年には数回のテロ事件が発生していた。以下の駄文でお伝えした自爆テロは、場所も今回と同じイスティックラル通りだった。

しかし、今回の事件は自爆テロではない。実行犯とされる女性が、爆発物を置いた後、もの凄い勢いで走って逃げる姿が監視カメラに捉えられていた。そのため、女性はトルコで活動するテロ組織PKKのシリアの下部組織YPGのメンバーであると自白したそうだけれど、実際は報酬を得る目的で実行を引き受けただけではなかったかという説も囁かれている。

ソイル内務相が、駐トルコ米国大使の弔意を受け付けないと語ったことも話題になっている。これは、米国がYPGを公然と支援しているためなのか、今回の事件そのものに米国が関与したと見做しているためなのか、ソイル内務相の発言内容からは判然としないらしい。

いずれにせよ、これも6年前のイスティックラル通りテロ事件前後の様相とは大きく異なる。6年前は、その4か月後に起きたクーデター事件に米国が直接関わっていたのではないかと思われたにも拘わらず、政府は表立って米国を名指しするようなことはしなかった。

この6年の間にトルコと米国の力関係に何か変化があったのだろうか・・・。