立ち飲みの後は、またあのネパール風なインド料理屋に寄って、しめのチキンカレーラーメンを食べた。
ネパールには、チベット・中国の影響で麺料理もあり、チベット系のネパール人はそれを箸で食べているらしい。
近年はインドでもカップヌードルが売られているそうだけれど、このチキンカレーラーメンは、まさしくネパール風の裏メニューじゃないかと思う。
おそらく、ネパールは箸が普及している地域の最西南端ではないだろうか?
最西端は、多分、新疆省であるような気がする。ウイグルの人たちはラグマンといった麺料理をもちろん箸を使って食べるそうである。
新疆省の西に位置するカザフスタンにもベシュパルマクという麺料理はあるものの、カザフの人たちは、どうやらフォークを使って食べるらしい。
そもそも「ベシュパルマク」とは「5本指」の意で、元来は手で豪快に食べる料理だったという。
しかし、麺料理と箸は何だかセットになっているように思われてならない。麺が先か箸が先なのかは解らないけれど、麺料理がある所には箸も普及しているようだ。
イタリアは例外だが、フォークで丸めて食べるのは、何だか麺の本来の食べ方ではないような気もする。
長い麺を箸で手繰って口にズルっと吸い込む時の食感も重要な味覚の要素になっていると思えるからだ。
フォークで丸めてしまうのなら、わざわざ長い麺にせず、最初から丸い輪のように作れば良いだろう。
イタリアに麺状のパスタがいつ頃出現したかについては諸説あるらしいけれど、東洋の全域に麺料理があるのに対し、西洋ではイタリア以外に見られない所を考慮しても、やはり麺の起源は中国じゃないかと思う。