メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

トルコの歌とギリシャの歌

上記の駄文で取り上げた「イエニ・トゥルキュ(Yeni Türkü)」というトルコのバンドによる「Telli Telli」と「Maskeli Balo」は、元々ギリシャの歌謡で、いずれも作曲はマノス・ロイゾス氏、これにトルコの詩人ムラットハン・ムンガン氏がトルコ語の歌詞をつけている。

元歌のギリシャ語の歌詞と関連があるのかどうか解らないが、「Maskeli Balo」の歌詞は素晴らしいと思う。しかし、「詩」を訳すのは恐ろしいので、特に気に入っている以下のフレーズだけを日本語に訳してみた。

「Ağlama geçmişe yaşadık bitti. Anılar bizi yalnız bırakmaz.(泣くな、過ぎ去った日々に。もう済んだことだ。思い出は私たちを一人ぼっちにさせはしない。)

ムラットハン・ムンガン氏には、小説や戯曲の作品もあるが、私は詩とエッセイを数編読んだだけである。

2013年6月の「ゲズィ公園騒動」では、公園に立て籠もった人たちを多くの文化人が訪れて激励していた。その中にはムンガン氏の姿もあった。

私が近づいて挨拶し、上述したような話をして「お会いできて嬉しい」と言ったら、喜んで手を差し伸べてくれたけれど、私の手を強く握り返すことはなかった。トルコでも女性の中には強く手を握らない人がいる。ムンガン氏は同性愛者なので、そういう女性的な傾向があったのだろうか?

以下にギリシャ語の元歌と「Maskeli Balo(仮面舞踏会)」を貼り付けるので、各々を聴き比べてみると面白いかもしれない。


Πες μου πώς γίνεται (Λιζέτα Καλημέρη)


Yeni Türkü - Maskeli Balo