メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

アルメニアの事態は収束へ向かう?

昨日、アルメニアで異変があったのは、Twitterアルメニア人女性による日本語のツイートで知った。ミグ戦闘機が上空を飛んでいるという。

『何があったのだろう?』とYouTubeトルコ語の検索をかけてみると、まずハンガリーを訪れているチャヴシュオール外相が緊張した面持ちで「アルメニアのクーデター」について記者の質問に答えているニュース録画が出て来た。

それから、いくつかトルコの報道番組の録画を覗いてみたが、まだそれほど大きな混乱は起きていないようである。コメントを求められた識者の多くは、クーデターの背後にロシアがいるのではないかと語っていた。

アルメニアにはロシア軍が駐留しているだけでなく、アルメニア軍の中にもロシアの顧問官がいるため、ロシアの了解なしに軍が行動することは有り得ないというのである。

2016年7月にトルコで発生した「クーデター事件」の後、プーチン大統領は、クーデターの背後に米国がいるかのように述べたそうだから、今度は何を言うのか気になった。

しかし、今日になって他の番組の録画(以下に添付)を観たところ、冒頭でモスクワ大学のメフメット・ペリンチェクというトルコ人政治学者が、ロシアはクーデターを望んでいないと言い、「背後にロシア」説ばかりか、クーデターそのものを否定した。

ペリンチェク氏によれば、ロシアは事態の沈静化を双方に呼びかけているという。また、軍はパシニャン首相の退陣を求めただけで、何ら行動に出ていないのだから「クーデター」とは言えないそうである。

そういえば、チャヴシュオール外相も「クーデターはもちろん、軍が政権の退陣を要求することも許されない」と述べていた。

ペリンチェク氏は、アルメニアアゼルバイジャンの紛争を調停して主導権を握ったロシアが、地域の混乱を望むはずがないと説明している。

この説が正しければ、事態がこれ以上悪化することはなさそうだ。まだ予断を許さない段階かもしれないけれど、無事に収束してくれたらと思う。

ところで、ペリンチェク氏だが、彼はあのドウ・ペリンチェク氏の子息であるという。これもなかなか興味深い。


Nedir Ne Değildir'de Ermenistan'daki darbe girişimi konuşuluyor... #YAYINDA