メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

カルロス・ゴーン氏の逃亡劇

カルロス・ゴーン氏の逃亡劇、日本では「出入国管理の甘さ」が指摘され、「我が国の司法制度が侮辱された」という声も聞かれるけれど、トルコでも、やはり同じような反応が見られるようだ。

何故、トルコの企業が利用され、中継地としてイスタンブールが選ばれたのか? 「我が国の信用に関わる問題である」という向きもあるのだろう。

トルコはかつて「麻薬の中継地」としても取り沙汰された挙句、これに纏わる事件を酷く歪曲した「ミッドナイトエクスプレス」などというハリウッド映画が作られたりした。

「文明の十字路」には、あまり有難くないものまで往来してしまうらしい。

最近は、税関等のシステムも大分改善されたと言われているけれど、私がトルコに関わり始めた四半世紀前でも、「税関の沙汰は金次第」みたいな話が囁かれたりしていた。

しかし、当時でも、以下の「通信」でお伝えしたように、高級官僚らはそれなりの自負心をもって職務を全うしていたと思う。とはいえ、残念ながら、その志は今でも広く行き渡っていないようである。