メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

就学生たちの命運

いつだったか、以前、朝日新聞に「漫歩余語」というコラムを連載していたフォトジャーナリストの于前さんが、1989年に中国から日本へ留学して、日本語や写真の技術を習得して行った過程を綴ったエッセイを読んだ。
詳細まで覚えていないが、いくつものアルバイトを掛け持ちして寝る間もなく働き、そして勉学に励んだ苦学生の日々が明らかにされていた。
強靭な精神力ばかりでなく、相当な体力もなければ、とても持ち堪えられなかったのではないか思われる凄まじい奮闘の記録であり、それこそ、過労死しても不思議ではないような驚くべき内容だった。
今、ネパールやベトナムから来ている就学生たちの中にも、かなり厳しい生活を送っている例は少なくないだろう。
その中から勝ち残って栄光を手にする者もいれば、敢え無く敗退してしまう者もいるに違いない。豊かになっていた日本で、のほほんと育った私が言うべきことじゃないと思うが、この世は余りにも残酷で無情である。

merhaba-ajansi.hatenablog.com