メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

アクサライ:シリア人青年のカフェ

昨日、アクサライにちょっと早く着いてしまい、チャイでも飲んで時間を潰そうと、アラビア文字の看板が出ているカフェに入ったら、店内のテレビでもアラビア語の番組が放送されていた。
画面には「JAPAN 2015」という文字が見える。気になって、店の青年に尋ねると、これはアルジャジーラ放送で、サッカーの解説番組らしい。
青年はこのカフェの経営者だった。非常に流暢なトルコ語を話していたが、シリア人であるという。4年前、留学するためにトルコへ来たそうだ。しかし、当初の目的は何であれ、国へ帰り難くなって、こんなところで小さなカフェを営んでいるのだから、彼も難民の一人と言って良いかもしれない。
「シリアのご家族に危険はないの?」と訊いたら、「もの凄く危険な状態です」と苦笑いしていた。
政治的な背景などは話題にしなかった。民族的にはアラブのようであり、宗教傾向は殆ど感じられなかった。まあ、進歩的なインテリは、トルコでも大概そうだが・・・。
相手が日本人だから、お愛想でそう言ったのかもしれないが、「1週間ぐらい日本へ旅行に行ってみたいですね。いくらぐらい掛かりますか?」とあれこれ日本の状況を私に尋ねた。
日本へ留学する場合、奨学金を得られる可能性はあるのかという話にもなったけれど、日本とトルコの友好を目的とするような奨学金制度では対象とされないに違いない。
日本とシリアの間には、同様の奨学金制度がないだろうか? 青年は、「もうシリアには政府も国家も存在していないんですよ」と溜息をついていた。確かに、政府間等の協定が機能する可能性なんて、まず残っていないような気もする。

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