メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

東京ジャーミー(モスク)2015年8月

一時帰国中、代々木上原にある”東京ジャーミー”にも出かけてみた。今回はちょっと目的があって、つまりイエニドアンの御近所に配る何か簡単な土産物でも見つからないかと思って出かけたのである。
出かける前は、東京ジャーミーの名前が記されたキーホルダーのようなものを想定していたけれど、そういったものは何れも結構値段が高く、結局、東京ジャーミーの写真付き絵葉書を数枚買ってお仕舞にした。
それから、ムハンマドの言行録”ハディース”の中から40の言葉を抜粋して、小さな手帳に纏めたものが無料で配布されていたので、これもいくつか頂いて来た。日本語の他、アラビア語の原文も記されていたので、信仰に篤いイエニドアンの御近所の中には、なんとか読んでみようとする人もいるだろう。
この土産物、まず、廃品回収屋さんの所に持って行ってみた。一応短大を出ている末弟は、アラビア文字も少し読めるはずだ。彼は手帳を受け取ると、裏表を万遍なく眺めてから、私に訊いた。「これ、ギュレン教団とは関係ないですよね?」
「それは東京ジャーミーで配られていたんだ。東京ジャーミーはトルコの宗務庁が管理しているはずだから、多分、関係ないと思うよ」と答えたら、にこっと笑ってページを開き、アラビア語の1行を読み解こうとしていた。
それから、家電修理屋さんにも寄ってみたところ、ここでも同じことを訊かれた。「ギュレン教団とは関係ないだろうな?」。それで、また同じ答えを繰り返すと、ありがたく受け取ってくれたけれど、彼はアラビア文字が読めるわけでもないようだった。
しかし、この日は、家電修理屋さんに来客がいて、彼らはすらすら読みこなしていた。シリア難民の父子だった。息子が35歳ぐらい、お父さんは65歳ぐらいじゃないかと思う。トルコへ逃れてから、もう2年ぐらい経つはずだが、息子のトルコ語もあまり上手くなっていない。お父さんの方は、それこそ片言でやっと話す程度である。
息子は、ハディースを2つほどアラビア語で読み上げてから、私に「日本語で読んで、その意味を言え」とトルコ語で言い、どのように日本語訳されているのか調べたりして、いつになく能弁だった。
土産物は、ジャー・ケバブ屋さんにも持って行ったが、ここでもギュレン教団との関連を訊かれた。どうやら、「海外でイスラムの普及などに努めているのは”ギュレン教団”」といった認識がかなり広まっているらしい。

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