メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

イスタンブールのプール

クズルック村の工場で働いていた頃は、週末にイスタンブールへ出て来て、市民体育館のような施設の屋内プールで泳いだりしたこともありました。

入場料は、5~600円だったように記憶していますが、今はもっと高くなっているでしょう。ここ数年、とにかく支出を抑えることばかり考えているけれど、健康の為、たまにはプールで泳ぐのも良いかもしれません。
当時、その屋内プールへ行けば、少なくとも1500mぐらいは泳いだものです。

男女別になっているプールは、ライン毎に仕切られていて、一応インストラクターのような人もいましたが、私を除いて、まともに泳いでいる人を見たことは殆どありません。皆、端っこの方でバシャバシャと水遊び程度のものを楽しんでいました。
初めてそこで泳いだ時には、25mプールを10回ほど往復した辺りで、子供たちが周りで騒いだり、ターンの際に手をかざして妨害したりしたので、プールから上がって、その辺にいた大人たちに、子供たちを注意するように頼むと、「すみませんねえ。でも、貴方がずっと泳いでいるものだから、子供たちばかりでなく、私たちも気になっています。ちょっとお話を伺えますか?」なんて言うのです。
それで暫く話して見たら、「あんなに泳いで疲れませんか?」はまだしも、「貴方が泳いでいるのを見ていると、どうやら右側に顔を出した時に呼吸しているようですが、左側に顔を出すことはありません。あれで息が続くものですか?」などという荒唐無稽な質問まで飛び出して驚かされました。

ある日、1500mほど泳いで、プールサイドに上がったら、一人の青年から「見事な泳ぎでした。祝福します」と言って手を差し伸べられたこともあります。

そりゃ、1万5千メートルぐらい泳げば、祝福されたくもなるだろうけれど、もたもたと1500mばかし泳いだところを祝福されたって嬉しくもなんともありません。気持ち悪いだけです。
クズルック村の工場で、大卒の若いトルコ人エンジニアに、以上の見聞を話したら、「俺たちがプールや海へ行くのは、泳ぐためじゃなくて、水着の女たちを眺めるためなんだよ。しかし、そのプールは男女別なんだろ? 連中は何しにプールへ来ているんだ? 君が泳いでいるのを眺めているのか? 恐ろしすぎるぞ、そのプールは。もう二度と行くな」と笑いながら“忠告”してくれました。

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