メルハバ通信

兵庫県高砂市在住。2017年4月まで20年間トルコに滞在。

「宇宙の果てまで貴方を愛します」:パキスタンの口説き文句?

5年ほど前、福岡で送迎バスの運転手をしていた頃、就学生を送迎するマイクロバスで、助手席は言わば特等席のようになっていた。後ろに並んでいる二人掛け席より楽に座れることもあったが、運転手の私と日本語の会話を試みるために座る就学生もいた。

パキスタン人就学生グループのリーダーだった青年も、リーダーの特権であるかのように助手席を独占していたけれど、やはり少しでも日本語で話す機会を得ようとする姿勢がうかがえた。それぐらいだから、日本語の会話能力もリーダーの名に恥じないレベルと言って良かった。

助手席に他のネパール人就学生などが先に座っていたりすると、ひと睨みして退かしたりした。なにしろ、がっしりして背も高く、中東風のいかつい顔だから、何も言わずに睨みつけるだけで充分だった。

彼は福岡の日本語学校で学んでいる間に日本人女性と恋仲になり、その後、めでたく結婚したのではなかったかと思う。

女性とつき合い始めた頃は、助手席に座っている時も携帯電話で延々とラブコールを繰り返していたが、その口説き文句の凄まじさに私も思わず聞き耳を立てていた。

おそらく、ウルドゥー語口説き文句を日本語に直訳して並べていたのだろう。

「地球の全てを捧げます」とか「宇宙の果てまで貴方を愛します」なんていう文句が次から次へと出て来た。

「宇宙の果てまで・・・」に、私も釣られて「宇宙の果て!」と叫んだら、後ろのパキスタン人グループの面々がクスクス笑っていた。

その翌日だったか数日後だったか、送迎バスにパキスタン人グループが乗り込んで来たのに、リーダーの姿は見えなかったので、どうしたのか訊いたら、そのパキスタン人就学生が「彼は宇宙の果てに行きました」と答えて大爆笑だった。

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